天鐘(9月8日)

真夏の新型コロナウイルスに誘発された“政界雪崩(なだれ)”には驚かされた。ちょっと目を離した隙に「全く考えていない」はずの菅義偉官房長官がぶっちぎりで独走している▼改めて総裁選の告示は今日である。菅氏、岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長による.....
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 真夏の新型コロナウイルスに誘発された“政界雪崩(なだれ)”には驚かされた。ちょっと目を離した隙に「全く考えていない」はずの菅義偉官房長官がぶっちぎりで独走している▼改めて総裁選の告示は今日である。菅氏、岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長による三つ巴(どもえ)戦が濃厚だが、既に7派閥中5派閥が菅氏に雪崩れ、議員票の7割を固めたとか。地方票なしで戦いは決したようだ▼党員も慌てる素早さで、首相指名を飛ばして関心は閣僚人事と次の解散総選挙に―。7日、野党合流新党の代表選が告示され、国民の泉健太政調会長と立民の枝野幸男代表が届け出たが、論戦も掻(か)き消されがちだ▼菅氏は二階俊博幹事長との“密室”から二人三脚でスタート。先行された細田、麻生、竹下の3派が慌てて異例の会見を開き、大人げない主導権争いを晒(さら)した。派閥政治の弊害はとうに払拭(ふっしょく)されたはずだが…▼「無派閥」を自認しても選挙は派閥の支援が不可欠。人事や利権で近づく“自称・育ての親”と距離を取り、国民目線の人事を実証してほしい。「暫定政権」を否定するなら脱派閥を貫き、本気度を見せるべきだ▼岸田、石破両氏は次をも見据え地方票の掘り起こしに躍起。皆国難に対峙(たいじ)する覚悟の顔に変わり頼もしい。コロナと経済の両立は大胆かつ繊細な舵取りが必須。これに合流新党など野党の視座も加われば国民の選択肢も広がるのだが―。