福島市唯一の百貨店「中合」閉店 昨年まで八戸の三春屋を営業

 最後の営業を終え、シャッターを下ろす福島市の老舗百貨店「中合福島店」=31日夜
 最後の営業を終え、シャッターを下ろす福島市の老舗百貨店「中合福島店」=31日夜
約146年の歴史を持ち福島市唯一の百貨店だった中合(なかごう)福島店が31日、閉店した。売り上げがピーク時の3分の1以下に減少、厳しい経営が続いていた。店舗が入るJR福島駅前のビルの再開発が直接的な引き金となったが、新型コロナウイルスの感染.....
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 約146年の歴史を持ち福島市唯一の百貨店だった中合(なかごう)福島店が31日、閉店した。売り上げがピーク時の3分の1以下に減少、厳しい経営が続いていた。店舗が入るJR福島駅前のビルの再開発が直接的な引き金となったが、新型コロナウイルスの感染拡大による営業休止も響き、閉店が数カ月前倒しされたという。[br] 31日は最後の営業を見届けようと多くの市民が来店。「福島のシンボルの一つが消えるのは寂しい」と別れを惜しんだ。新型コロナのためセレモニーはなく、午後7時前にシャッターが下ろされると、店の前に集まった100人超の市民から「ありがとう中合」と声が上がった。[br] 中合は1874年に福島市で呉服店として開業し、1973年に現店舗での営業を始めた。92年度には200億円を売り上げたが、昨年度は60億円にとどまっていた。2005年からは八戸市十三日町の三春屋を「中合三春屋店」として営業していたが、昨年11月に複合商業施設の開発・コンサルティングを手掛ける「やまき」(東京)に店舗を売却し、事業譲渡した。やまきは新会社「やまき三春屋」を設立して運営している。[br] 福島県郡山市の主婦曳地美智子さん(64)は「学生時代に友人とそろいの洋服を買ったのが思い出。気軽に立ち寄る憩いの場だったので、悲しい」と話した。[br] 百貨店業界を巡ってはインターネット通販の普及などによる利用者減を受け、地方都市を中心に撤退や閉店が相次いでいる。今年1月には山形市の老舗百貨店「大沼」が山形地裁に自己破産を申請した。福島県内の百貨店は、うすい百貨店(郡山市)だけとなった。 最後の営業を終え、シャッターを下ろす福島市の老舗百貨店「中合福島店」=31日夜