【再処理完工延期】六ケ所村内の関係者「早い完成を」「工場稼働の合理性なし」 

津幡俊副社長(左)から完工延期の報告を受ける戸田衛村長=21日、六ケ所村役場
津幡俊副社長(左)から完工延期の報告を受ける戸田衛村長=21日、六ケ所村役場
使用済み核燃料再処理工場の完工延期に、地元六ケ所村の関係者は地元経済への影響を懸念しつつ、新規制基準に対応した具体的な工事を進めるためとの理由に「完工の先行きが見通せなかったこれまでとは意味合いが違う」と理解を示した。反対派は核燃料サイクル.....
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 使用済み核燃料再処理工場の完工延期に、地元六ケ所村の関係者は地元経済への影響を懸念しつつ、新規制基準に対応した具体的な工事を進めるためとの理由に「完工の先行きが見通せなかったこれまでとは意味合いが違う」と理解を示した。反対派は核燃料サイクルの考え自体が破綻しているとし、「そもそも工場には稼働する合理性がない」と訴えた。[br] 21日に村役場で日本原燃の津幡俊副社長から説明を受けた戸田衛村長は「誠に遺憾。地元経済への影響を深刻に受け止め対策を講じてほしい」と要望。「設定した延期幅にとらわれず、一日も早い完成を強く求めたい」とも語った。[br] 村議会の高橋文雄議長は取材に「スケジュールが厳しかったのは事実。延期は工場を完成させるという意思だろう」と一定の評価。「不安を抱えていた過去の延期とは性質が異なるはず。着実に完成させてほしい」と語った。[br] 安全性向上に向けた工事の発注で地元経済が既に潤っている現状から、種市治雄村商工会長は「地域経済の悪影響は少ない。安全第一に工事を進め、商工会としては今後の波及効果に期待したい」と話した。[br] 村民の受け止めはさまざまだ。サービス業女性(54)は「村民の安全を考えたら仕方のないことではないか」と納得の様子。建設業男性(62)は「工事が延びることでむしろ雇用は助かる。多くの人が働いているので」と本音を口にした。[br] 村内で核燃サイクル凍結を訴える「花とハーブの里」の菊川慶子代表は「(原燃は)その場しのぎの延期を繰り返しているだけで、今回もパフォーマンスにしか見えない」と批判。「サイクル政策の先行きが見えない中、プルトニウムをただ増やすだけの工場を作る意味はない」と指摘した。津幡俊副社長(左)から完工延期の報告を受ける戸田衛村長=21日、六ケ所村役場