【EM・ナンバーワン】ハイブリッド車用角度センサー国内シェアトップ/多摩川精機

多摩川精機が製造する精密部品(写真はコラージュ。上から時計回りに、サーボモータ、シングルシン、ジャイロ)=同社提供
多摩川精機が製造する精密部品(写真はコラージュ。上から時計回りに、サーボモータ、シングルシン、ジャイロ)=同社提供
八戸、三沢、南部の青森県南3市町に五つの工場を構える精密部品メーカーの「多摩川精機」(本社・長野県飯田市)は、ハイブリッド車に搭載するモーター用角度センサーの供給で国内トップシェアを誇る。その“ナンバーワン製品”を生産しているのは三沢工場だ.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 八戸、三沢、南部の青森県南3市町に五つの工場を構える精密部品メーカーの「多摩川精機」(本社・長野県飯田市)は、ハイブリッド車に搭載するモーター用角度センサーの供給で国内トップシェアを誇る。その“ナンバーワン製品”を生産しているのは三沢工場だ。5工場を統括する八戸事業所の年間売上高は増加基調で、近年は国内売り上げ全体の半分近くを占めるまでに伸長。国内外に展開するグループの重要な拠点として存在感を高めた。産業機器の自動化や環境対応車の普及を背景に、八戸事業所の製品はマーケットが拡大しており、将来的に県南地方で一層の拠点化が進む可能性を秘めている。[br] 同社は1991年、東北地方の拠点として、八戸市の桔梗野工業団地に子会社を設立。2000年には子会社を再編し、八戸北インター工業団地に多摩川精機の八戸事業所を新設した。[br] 現在は事業所本部に隣接した八戸第一工場、同じ八戸北インター工業団地の八戸第二工場、南部町の福地第一工場と福地第二工場、三沢市の三沢工場の5拠点体制で八戸事業所の活動を展開。事業規模は拡大しつつあり、本社拠点が自然災害などで被害を受けても製品供給が停滞しないよう、リスク分散の要素もある。[br] 三沢工場で生産しているハイブリッド車用の角度センサーは、エンジンとモーターの切り替えを制御する機能があり、駆動システムの核パーツだ。国内最大手の自動車メーカーでは、全てのハイブリッド車に多摩川精機の独自製品「シングルシン」を使用している。[br] ハイブリッド車や電気自動車といった環境対応車は今後、国内外で市場の拡大が見込まれており、“ナンバーワン製品”のさらなる需要増が期待されている。[br] 八戸第二工場は角速度を検知するセンサー「ジャイロ」の専門工場。物体の姿勢を制御するジャイロは、テクノロジーの進展に伴って活用の幅が広がり、自動車や農機、建機などの自動運転技術にも応用される。ジャイロ事業は将来性が有望な成長分野だ。[br] 八戸第一工場と福地第二工場では、それぞれ大型と小型の「サーボモータ」を製造。工場の生産ラインに組み込まれるロボットなどに使われている。中でも、産業用ロボットに使用されるサーボモータは、世界有数のシェアを誇るという。[br] 八戸事業所は操業開始から今年11月で20周年の節目。現在、子会社や協力会社も含めれば約千人の地元出身者が勤務しており、地場産業の活性化と雇用確保に大きく貢献している。[br] 八戸事業所長を務める宮澤一幸常務は「ジャイロ事業は将来性が高く、電気自動車が増えれば車載用センサーも伸びが期待される。今後、八戸事業所の重要性はさらに高まっていくだろう」との認識を示した。 [br][br] 【会社概要】 多摩川精機 本社は長野県飯田市。1938年創立の株式会社。関重夫社長。従業員数約760人。2019年11月期の売上高(国内・単体ベース)は約382億円。多摩川精機グループとして国内外に拠点があり、航空・宇宙・防衛関連、輸送機器、工場設備、遊技機器、科学機器の精密部品を製造、販売する。多摩川精機が製造する精密部品(写真はコラージュ。上から時計回りに、サーボモータ、シングルシン、ジャイロ)=同社提供