【八戸三社大祭】「お通り」なくても元気発信 各山車組が特別な催し

八戸三社大祭の期間中、各山車組は地元町内などで特別な催しを企画している(写真はコラージュ。中央は小型山車を展示してお囃子を披露する吹上山車組、左上は以前の神輿渡御の経路をたどる、はちのへ山車振興会のメンバー、右上はお囃子を奏でる朔日町附祭の子ども)
八戸三社大祭の期間中、各山車組は地元町内などで特別な催しを企画している(写真はコラージュ。中央は小型山車を展示してお囃子を披露する吹上山車組、左上は以前の神輿渡御の経路をたどる、はちのへ山車振興会のメンバー、右上はお囃子を奏でる朔日町附祭の子ども)
発祥300年目の八戸三社大祭は本来、1日が伝統の「お通り」の日だった。今年は新型コロナウイルスの影響で、神社や山車の行列が八戸市中心街を練り歩く合同運行は見送られたが、各山車組は感染予防策を施しながら地元町内などで特別な催しを企画。山車の展.....
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 発祥300年目の八戸三社大祭は本来、1日が伝統の「お通り」の日だった。今年は新型コロナウイルスの影響で、神社や山車の行列が八戸市中心街を練り歩く合同運行は見送られたが、各山車組は感染予防策を施しながら地元町内などで特別な催しを企画。山車の展示やお囃子(はやし)の披露などで、コロナ禍の閉塞へいそく感が漂う八戸のまちに“お祭りムード”と元気を発信した。市民は三社大祭の雰囲気に触れ、改めて地域で継承されてきた祭りの魅力を実感している。[br] 辺りが暗くなった午後8時。同市朔日町の一角に設置されたスクリーンに、地元山車組・朔日町附祭が過去の三社大祭で制作した山車の勇姿が流れ始めた。今年は見られなかった山車運行の映像に合わせ、子どもたちが地元への感謝を込めたお囃子を奏でると、集まった地域住民は「懐かしい」「祭りの気分だ」と喜び、大きな拍手を送った。[br] 地元町内のために―と企画した同山車組代表の近藤慶央(よしてる)さん(39)は「近年は豪華な山車や観光面に目が行きがちだった。原点に立ち返り、仲間とのつながりを見直すきっかけにもなった」と意義を強調した。[br] 朔日町町内会長の種市良意(よしおき)さん(72)は「朔日町は仲間で集まることを大切にしてきた町内会。山車運行は中止になったが、地域で伝統をつないだ」と言葉に万感の思いを込めた。[br] 今年で三社大祭参加100周年の吹上山車組は、八戸パークホテルが開いた「パークお祭り広場」で、特別に制作した小型山車「花魁(おいらん)道中」をお披露目。メンバーがお囃子を響かせてイベントを盛り上げた。[br] 山車組からの“プレゼント”に、会場に集まった地域住民は大喜び。地元の活性化に取り組む「吹上おやじの会」会長の駒木隆司さん(59)は「今年は山車がないと思っていたのでうれしい」と顔をほころばせた。[br] 同山車組委員長の秋山豊さん(57)は「地域の皆さんにもっと喜んでもらえるよう、来年の101周年に希望を託して頑張りたい」と決意を新たにした。[br] 淀山車組は同市沼館4丁目の「ピアドゥ」で、昨年の祭りから解体されずに残る豪華絢爛(けんらん)な山車を展示。子どもたちがお囃子を披露し、夏の音色を響かせた。[br] 小太鼓をたたいた、市立根岸小4年の泉山夢音(ゆな)さん(9)は「数日間しか練習できなかったけど、こうやってお囃子ができてうれしい」と笑顔を見せた。[br] 一方、はちのへ山車振興会はお通りの日に合わせ、1721(享保6)年に初めて法霊社(現在のおがみ神社)から長者山三社堂(現在の長者山新羅神社)まで神輿が渡御した際の経路をたどった。小笠原修会長ら8人が笛を奏でたり、音頭を上げたりしながら、約300年前に思いをはせて“歴史の道”を歩いた。[br] 参加した白山台山車組の米内康子さん(32)は「当時は各地の町内を巡るようなルートだと感じた。改めて伝統の重みを実感する機会になった」と語った。[br] 八戸パークホテルの「パークお祭り広場」は、感染予防を講じて2日も午後5時~8時に開催。吹上山車組の小型山車展示やお囃子披露などが行われる。八戸三社大祭の期間中、各山車組は地元町内などで特別な催しを企画している(写真はコラージュ。中央は小型山車を展示してお囃子を披露する吹上山車組、左上は以前の神輿渡御の経路をたどる、はちのへ山車振興会のメンバー、右上はお囃子を奏でる朔日町附祭の子ども)