八戸市新美術館 オープンまで残り1年、工事進捗率6割/新たな人の流れ生み出せるか

建設工事が進む八戸市新美術館。左は青森銀行八戸支店の新店舗=7月中旬、八戸市 
建設工事が進む八戸市新美術館。左は青森銀行八戸支店の新店舗=7月中旬、八戸市 
八戸市が市庁前に建設中の新美術館が、2021年夏ごろのオープンまで残り1年となった。5月末現在の工事の進捗(しんちょく)率は約6割で、建物本体は早ければ今秋にも完成する見通し。約1年間の“慣らし期間”を経て、開館する。新美術館は市民の文化・.....
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 八戸市が市庁前に建設中の新美術館が、2021年夏ごろのオープンまで残り1年となった。5月末現在の工事の進捗(しんちょく)率は約6割で、建物本体は早ければ今秋にも完成する見通し。約1年間の“慣らし期間”を経て、開館する。新美術館は市民の文化・芸術の向上のほかに中心街活性化の役割も担っており、新型コロナウイルスの影響で地域経済が冷え込む中、中心街に新たな人の流れを生み出すことができるかが焦点となる。[br] 新美術館の整備を巡っては、旧美術館の老朽化と手狭さなどから2015年に市民有志から建設を求める陳情が出され、実現に向けて動き出した。16年度には基本構想を策定し、17~18年度の基本設計や実施設計を経て、19年4月に本体工事に着手。建物自体の工期は9月末までだが、建材から発生する物質が収蔵品に影響しないか調べる「枯らし」期間を設けるため、来夏のオープンを見込む。[br] 地上3階建てで延べ床面積は4881平方メートルと、旧美術館の約3倍の規模にとなる。建設地に青森銀行八戸支店が立地していたため、市は16年に同行と土地の等価交換などを盛り込んだ覚書を締結。両者が協調して美術館の周辺一体を整備することで合意している。[br] 建設に伴う青森銀行八戸支店の移転工事も大詰めを迎えている。新支店の外観の工事は既に終了し、現在は内装工事が進む。9月23日に営業を開始する予定で、現支店の跡地には広場が整備される見通しだ。[br] 市は新美術館のビジョンに「種を蒔(ま)き、人を育み、100年後の八戸を創造する美術館~出会いと学びのアートファーム~」を掲げ、ラーニングセンター(学びの拠点)と位置付ける。美術品を展示する「コレクションラボ」や市民ギャラリーに加え、市民が自由に集って学び、活動することを目的とした「ジャイアントルーム」などを設ける。[br] 美術館の建設費32億円のうち、約10億円は国の社会資本整備総合交付金を活用し、残りは一般財源や起債などで賄う。市は有利な起債を活用してできるだけ負担の圧縮に努める方針だが、広場の整備や八戸警察署中央交番の移転費用などの付随事業を含めると、少なくとも市の持ち出しは十数億円に上ると見込まれる。[br] 市新美術館建設推進室の高森大輔室長は「まずは整備事業を着実に進めていきたい」と強調。ソフト面の充実については「ワークショップや関連事業を積極的に展開し、開館に向けた機運を高めていく」と話す。建設工事が進む八戸市新美術館。左は青森銀行八戸支店の新店舗=7月中旬、八戸市