天鐘(7月23日)

1876年の東北巡幸で明治天皇は青森県内も視察した。婦人会による五戸町の「田植え・田の草取り唄と踊り」、宿泊場所となった野辺地町の「旧野村家住宅離れ」。ゆかりの芸能や建築物が今も残る▼帰途は海路。青森から函館、そして横浜へ。海運発展の契機と.....
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 1876年の東北巡幸で明治天皇は青森県内も視察した。婦人会による五戸町の「田植え・田の草取り唄と踊り」、宿泊場所となった野辺地町の「旧野村家住宅離れ」。ゆかりの芸能や建築物が今も残る▼帰途は海路。青森から函館、そして横浜へ。海運発展の契機とされる安着にちなみ、旅を終えた7月20日は「海の記念日」を経て「海の日」となる。7月第3月曜日の祝日は、環海の国ならでは▼今年が木曜日なのは特例。同様に「体育の日」改め「スポーツの日」を10月から移し、土日とつなげた。無論、東京五輪の高揚感はない。夏休みの入り口の4連休も開放感が薄い。コロナへの懸念がくすぶる▼新規感染が勢いを増して再燃。大規模イベントの制限緩和は先送り。首都の長は外出自粛を訴えた。混乱を伴って動き出した「Go To トラベル」に身構える。長引く梅雨の空のように、気持ちが晴れない▼春になったら、夏になったら。終息の願いは届かず季節が巡った。国内2例目の治療薬認定、ワクチン開発加速は朗報なのだが。来月のお盆も秋の連休も、やはり自衛を怠らず辛抱の日々となろう▼悩ましい4連休に「巣ごもり」の春を思い起こす。普段は十分に時間を割けない読書、料理、大掃除が気分転換になった。予定がなければ、遠くで暮らす会いたい人、大切な人へ手紙を書くのもいい。きょうは「ふみの日」でもある。