天鐘(7月4日)

歩いて行くには遠すぎる。かといって、車を走らせるほどの距離でもない。そんなときに重宝するのが自転車だ。軽やかにペダルをこいで進めば、吹く風もさわやかである▼新型コロナウイルスによる感染症警戒の中、首都圏などで自転車が見直されている。満員電車.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 歩いて行くには遠すぎる。かといって、車を走らせるほどの距離でもない。そんなときに重宝するのが自転車だ。軽やかにペダルをこいで進めば、吹く風もさわやかである▼新型コロナウイルスによる感染症警戒の中、首都圏などで自転車が見直されている。満員電車の「3密」が避けられると、若者たちに人気のようだ。宅配業者もその機動力に頼る。何より健康にいい▼だが、その手軽さゆえか、マナー違反も最近は目に余る。代表的なのはスマホの「ながら運転」だ。これに「傘差し」が加われば、周りの方が心穏やかでない。背後から猛スピードで追い抜かれたこともある。一瞬、背筋が凍り付いた▼先日改正された道交法で、自転車の「あおり運転」も摘発の対象になった。逆走や幅寄せ、ベルを執拗(しつよう)に鳴らすなどの行為がそれに当たるらしい。にわかに想像できないが、実例あってのことだろう▼都会の話と聞き流すなかれ。交通量の少ないこの地方だからこその“傍若無人”もよく目にする。歩行者を驚かせるにとどまらず、乗用車をも困惑させる荒々しい「曲乗り」の類いに、たびたび出くわす▼免許不要とはいえ、法律的にはれっきとした軽車両。ひとたびハンドルを握れば「ドライバー」であることを忘れずにいたい。出掛ける際に家族から言われる「気をつけて」。「車に」のほかに、「加害者にならぬよう」の意味も加わる。