新型コロナウイルスの感染拡大の影響で冷え込んだ八戸市の観光産業の回復に向け、市は25日、北東北3県の住民が市内の宿泊施設を利用する際の宿泊料金を助成する事業を展開する方針を固めた。助成割合は8割で、対象期間は7月中旬から9月末までの金、土、日曜日と祝日、祝日の前日とする予定。[br] 市内では、新型コロナの緊急事態宣言に伴う外出や移動の自粛要請により、観光客らの客足が減少した。自粛要請が緩和された現在も、感染への警戒で観光客の動き出しは鈍く、市内の観光産業は厳しい状況が続いている。[br] 展開する事業は、青森、秋田、岩手の3県に住む住民(八戸市民も含む)が市内のホテルや旅館を利用する際の宿泊料金を助成するほか、利用者に市内の物産施設で利用可能なオリジナル商品券を交付する内容。[br] 宿泊料金の助成割合は8割で、1人1泊5千円が上限(2連泊まで可能)。利用者が各宿泊施設に直接、電話予約をして宿泊する場合に、助成分を値引いた料金が適用される仕組みを想定している。商品券は1人1泊につき、千円分を配ることを見込む。[br] 必要な予算額は2400万円と見込み、財源には県の補助金を活用する考え。事業の実施について、小林眞市長は取材に「感染状況が収まってきた中で、観光産業を支援したい思いがある。助成制度を利用し、これまで日帰りで訪れていた人も、ゆっくりと八戸を味わってほしい」と話した。[br] 市はこのほか、観光誘客に向け、北東北3県を発着地とし、主に市内の観光地を周遊するバスツアーの実施を支援する試験的な事業も展開する方針だ。