【コロナ移動自粛解除】北奥羽の経済活動回復へ「まず一歩」

座席に仕切りカーテンを取り付けた高速バス「MEX」。都道府県境をまたぐ移動の自粛が全面解除され、事業者は感染対策を強化する=19日、八戸市
座席に仕切りカーテンを取り付けた高速バス「MEX」。都道府県境をまたぐ移動の自粛が全面解除され、事業者は感染対策を強化する=19日、八戸市
新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いてきたことを受け、都道府県境をまたぐ移動の自粛が19日に全面解除された。コロナ禍に見舞われる北奥羽地方の経済界は、人の往来の活発化による消費喚起に期待。交通事業者や旅行会社などからは「まずは第一歩」「利.....
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 新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いてきたことを受け、都道府県境をまたぐ移動の自粛が19日に全面解除された。コロナ禍に見舞われる北奥羽地方の経済界は、人の往来の活発化による消費喚起に期待。交通事業者や旅行会社などからは「まずは第一歩」「利用客の不安を払拭(ふっしょく)したい」との声が聞かれ、感染予防対策を強化して受け入れ体制の構築を進める。今月から出張制限を緩和した地元企業も多く、コロナに対応しながら、段階的に経済活動を取り戻す動きが広がってきた。[br] 八戸市など青森県内と首都圏を結ぶ高速バスを運行する岩手県北自動車(盛岡市)は、利用客が戻りつつある。4、5月は前年同期の2~3割に急減したが、今は5割程度に回復。移動自粛が全面解禁された初日の19日は、東京発の便が満席状態、八戸発は約8割の予約状況だったという。[br] 運用する「MEX」ブランドの車両は感染予防対策を強化しており、2人がけの4列シートには席を仕切るカーテンを取り付けて飛沫(ひまつ)感染を抑止。1人で2席を利用できる「ダブルシート」を販売し、一定間隔の確保にも配慮している。[br] 同社南部支社の高橋学支社長は「利用客の不安を払拭し、安心して乗車してもらえるようにしたい」と強調。今後の動向を踏まえ、現在運休中の三沢―東京便の再開を検討する。[br] 感染拡大で大打撃を受ける旅行業界。八戸市の旅行会社「トラベルプランニング」は移動自粛の解除に合わせ、東北各地など近場への旅行商品を提案する。今後は国の観光キャンペーンも活用し、“コロナ疲れを癒やす”を掲げて自然を巡るツアーを企画する予定だ。[br] 佐藤久男社長は「元の状況に戻るまでには時間がかかる。まずは第一歩として近場や少人数での旅行を提案し、感染対策も講じながら安心感を持って観光できるようにしたい」と話す。[br] 八戸市の宿泊業界は、ビジネス客を中心に客足回復の兆しが見え始めた。17施設が加盟する八戸ホテル協議会によると、今月から予約が上向いてきたという。[br] 八戸三社大祭の山車運行などが中止になった影響は大きいが、倉田任康会長は「移動が全面解除になったことで、お盆期間の客足増加に期待したい。館鼻岸壁の朝市が再開されれば、週末の宿泊も動き出すのではないか」との見方を示す。[br] 一方、全国で取引がある企業は、感染の落ち着きを受けて出張制限を緩和させている。北東北でスーパーを展開するユニバース(同市)は、今月から東北6県内の出張制限を解除。東京や北海道などについては、必要があれば部署長の判断で出張できるようにした。[br] 19日で都道府県をまたぐ往来が自由になったが、同社は当面、現状の規定を継続させる方針。担当者は「感染拡大の第2波も警戒される中、今後も状況に応じて出張の方法を検討していきたい」としている。座席に仕切りカーテンを取り付けた高速バス「MEX」。都道府県境をまたぐ移動の自粛が全面解除され、事業者は感染対策を強化する=19日、八戸市