【コロナ移動自粛解除】北奥羽地方 学校の修学旅行どうなる?

子どもたちの大切な思い出となる修学旅行。青森、岩手両県では行先の変更に加え、修学旅行受け入れ縮小の影響なども出ている(写真はイメージ)
子どもたちの大切な思い出となる修学旅行。青森、岩手両県では行先の変更に加え、修学旅行受け入れ縮小の影響なども出ている(写真はイメージ)
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、北奥羽地方の学校では本年度の修学旅行の行き先や実施時期の判断に気をもむ。19日に県境をまたぐ移動が全面解除されたものの、自粛要請が緩和されたばかりの北海道や東京を行き先に想定する学校では、第2波への警戒が.....
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 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、北奥羽地方の学校では本年度の修学旅行の行き先や実施時期の判断に気をもむ。19日に県境をまたぐ移動が全面解除されたものの、自粛要請が緩和されたばかりの北海道や東京を行き先に想定する学校では、第2波への警戒が高まる。7月中に修学旅行を行う一部の学校では、行き先を東北地方に切り替えるなど対応が進んでいる。[br] 1学期の実施を予定していた八戸市内の小中学校では、2学期に延期した所がほとんどだ。市教委は15日、コロナ禍の修学旅行に関するガイドラインを各校に配布。例年であれば小学校は北海道、中学校が東京方面を主流とするが、本年度は感染リスクを考慮し、行き先の変更や旅程の短縮を「躊躇(ちゅうちょなく)」検討するよう求める。[br] 学校現場では秋以降の感染拡大を懸念する声が根強い。修学旅行の仲介を手掛ける北日本トラベル(同市)によると、本年度の契約校では小中とも、感染リスクの低いバスのみの移動が可能な東北地方に注目が集まり、近場志向が高まっている。宿泊先の貸し切りやバイキング形式の食事の取りやめといった要望も寄せられているという。[br] 7月中旬に実施予定の市立白山台小と西白山台小は、行き先を岩手県遠野市と平泉町に変更し、旅程も自由行動をやめ、1泊2日と1日短縮する。西白山台小の原寿校長は「八戸に縁のある土地でもあり、3密も避けやすいと判断した」と説明する。[br] 一方、高校の旅行先は近畿地方や広島、沖縄両県といった遠方が一般的。多くは例年通り10~12月の実施を予定しており、現時点で変更の動きは見られていない。ある県立高の校長は「高校の場合、1年ほど前から旅程の予約をしており、行き先の急な変更は難しい。万が一の場合は、旅行自体を中止する意向の校長が多いようだ」と話す。[br] 岩手県北地方でも余波は少なくない。二戸市では小学校が仙台方面を訪れる日程を2学期に変更。東京行きを予定していた中学3校はいずれも実施時期や行き先を再検討している。[br] 市立御返地小の平幸副校長は「当初予定のプロ野球観戦が無理な場合でも、球場見学ができないかなど協議を続けている」と最大限の努力を強調。例年なら東京などの企業を訪れて学習する中学校も多いが、県教委の担当者は「今は難しいだろう」。[br] 修学旅行の見直しは全国的な傾向。青森県内では、大都市圏からの修学旅行生受け入れの動きが鈍い。グリーンツーリズムを手掛ける南部町のNPO法人・青森なんぶの達者村では5校の受け入れ予定のうち、4校が既にキャンセル、1校が対応未定となった。受け入れる農家側にも感染のリスクがあるため、積極的な呼び掛けもできない状況で、関係者が頭を悩ませる。子どもたちの大切な思い出となる修学旅行。青森、岩手両県では行先の変更に加え、修学旅行受け入れ縮小の影響なども出ている(写真はイメージ)