今年のスギ花粉 八戸の飛散数は昨年の半分

青森県内の今年のスギ花粉飛散が5月上旬までにほぼ終了した。新型コロナウイルス感染拡大を受けた全国的なマスク不足で迎えた花粉シーズンだったが、青森県花粉情報研究会(松原篤会長)によると、八戸の1平方センチメートル当たり飛散数は6714個(14.....
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 青森県内の今年のスギ花粉飛散が5月上旬までにほぼ終了した。新型コロナウイルス感染拡大を受けた全国的なマスク不足で迎えた花粉シーズンだったが、青森県花粉情報研究会(松原篤会長)によると、八戸の1平方センチメートル当たり飛散数は6714個(14日現在)と、同会の予想値や過去10年の平均値を下回り、大量に飛散した昨年の約半分。市内の花粉症患者からは「比較的症状が軽度で助かった」との安堵(あんど)の声が上がった一方、別の患者はマスクが手に入らず、「飛散が多い日は心もとなく、手作りで乗り切った」と漏らした。[br] 同会によると、八戸のスギ花粉の初観測は2月22日、2日連続で1個以上を観測した飛散開始日が3月5日と、暖冬や小雪の影響で例年よりやや早めに。3月上旬から暖かい日が続き、同月中旬から大量飛散が始まった。観測史上最大となる最大瞬間風速43・4メートルを記録した同月20日には、今季最高の1957個を観測。4月初めにかけて飛散が続いたが、その後は低温が続き低調となり、5月上旬までにほぼ収束した。[br] 同会理事で弘前大付属病院耳鼻咽喉科の高畑淳子医師は「例年はピークとなる4月に低温が続いて、予想より飛散が抑えられた。終盤は比較的患者は楽だったのでは」と話す。[br] ただ、今年はコロナ禍のさなかの花粉シーズン。高畑医師によると、県内の耳鼻咽喉科ではコロナ対策として、患者の鼻や喉への薬吸入を控えたり、なるべく診療を簡略にしたりして対応したという。[br] 八戸市内の花粉症患者は、なかなかマスクが手に入らない中、手作りマスクや予防薬で飛散に備えた。長年にわたり花粉症に苦しむ同市柏崎6丁目の女性(68)は「今年は3月下旬から一気に症状が悪くなったが、4月上旬ごろからはましだった」と振り返る。昨年まとめ買いしておいたマスクは底をつき、「コロナ対策も兼ねて手作りマスクで乗り切った」と明かす。[br] 同市長横町の飲食店経営男性(45)は「飛散が少なめだったせいか、症状は軽めだった。今は良く効く市販の予防薬や点鼻薬もあるので助かる」とほっとした様子。「早く新型コロナのワクチンや治療薬も開発されてほしい」と願いを込めた。