【負けるな地元経済】タクシー宅配好評 飲食店、収束後の客足回復願い

「割烹 銀波」の関係者(右)から宅配する料理を受け取るタクシー運転手=16日、八戸市岩泉町
「割烹 銀波」の関係者(右)から宅配する料理を受け取るタクシー運転手=16日、八戸市岩泉町
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛を受け、八戸市内でタクシーを利用して飲食店の料理を宅配するサービスが好評を博している。タクシーによる配達は国の特例措置で可能になり、当初は今月13日で終了だった特例期間が9月末までに延長された。青森.....
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 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛を受け、八戸市内でタクシーを利用して飲食店の料理を宅配するサービスが好評を博している。タクシーによる配達は国の特例措置で可能になり、当初は今月13日で終了だった特例期間が9月末までに延長された。青森県の緊急事態宣言は解除されたとはいえ、飲食業界は客足の回復には至っていない。苦境に立つ飲食店とタクシー事業者が業界の垣根を超えてタッグを組み、コロナ禍に対応したビジネスモデルの構築を進めて活路を見いだそうとしている。[br] 情報季刊誌「はちのへ中心蔵well(ウェル)」を発刊する実行委員会は、三八五交通(同市)と連携し、well参加店の料理や弁当を宅配するサービスを今月1日から開始した。配達料金は1店舗からの宅配につき300円で、タクシー運転手が南郷地区を除く八戸市内各地に届ける。特例期間の延長を受け、事業の継続が決まった。[br] 三八五交通によると、14日時点で計365個の商品を配達。県が休業要請を出したゴールデンウイーク期間の注文が目立った。現在の参加店は23店舗で、随時メニューを入れ替えながら利用拡大を図っている。[br] 同社の小笠原修社長は「温かい料理が自宅に届くと喜ばれている。タクシー事業者として、飲食店と消費者を結ぶ仕事で地域に貢献したい」と意欲を示す。[br] well実行委は、タクシー宅配に続くプロジェクトの第2弾として、同市売市2丁目のスーパー「やまはる売市店」で参加店の特製弁当を販売している。ランチ用は午前11時から、ディナー用は午後3時から、それぞれバラエティーに富んだ商品を取りそろえる。[br] 実行委の城前孝史代表は「緊急事態宣言が解除されても、飲食店の客足が一斉に戻ることはないだろう。新たな展開も考えつつ、飲食業界が生き残る道を模索したい」と強調する。[br] 八戸タクシーも独自の宅配サービスの実施期間を9月末までに延長した。同社が商品の代金を立て替え、飲食店から利用客の自宅などに配達する仕組みで、運転手が商品代金と配達料金を利用客から受け取る。飲食店が商品を用意できれば、当日注文も受け付ける。[br] 新料金システムでは、南郷地区を除く八戸市内は通常のメーター運賃を適用するが、上限は1480円に設定。南郷地区、階上町、南部町の旧福地村地区、おいらせ町の旧百石町地区は一律2470円とした。[br] 一方、タクシー宅配は感染リスクを低減する料理販売の新手法だが、それで店内飲食の利用減を全て補うのは難しい。ある飲食業者は「今はテークアウトと宅配で少しでも売り上げを回復させたい。タクシー宅配を通して多くの人に自分の店を知ってもらい、コロナの収束後に来店してもらえれば」と願いを込めた。「割烹 銀波」の関係者(右)から宅配する料理を受け取るタクシー運転手=16日、八戸市岩泉町