映像や文字でやりとり円滑に 県立青森聾学校でオンライン授業

青森聾学校での遠隔授業の様子。中央の教員が手話を用いて会話し、手前の教員が字幕を入力する=1日、青森市
青森聾学校での遠隔授業の様子。中央の教員が手話を用いて会話し、手前の教員が字幕を入力する=1日、青森市
新型コロナウイルス感染症対策として導入が進むオンラインの遠隔授業が、障害のある子どもたちが通う青森県内の特別支援学校でも活用されている。県立青森聾学校(青森市、中谷えり子校長)では、臨時休校期間中にビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を.....
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 新型コロナウイルス感染症対策として導入が進むオンラインの遠隔授業が、障害のある子どもたちが通う青森県内の特別支援学校でも活用されている。県立青森聾学校(青森市、中谷えり子校長)では、臨時休校期間中にビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を利用。学校と家庭をインターネットでつなぎ、耳が聞こえづらい生徒に対しても映像や文字を通して円滑にやりとりできた。学校側は休校期間以外でも、生徒の学習や健康状態を確認できる方法として手応えを感じている。[br] 遠隔授業は、ICT(情報通信技術)を活用した教育活動に詳しく、マイクロソフト社が認定する「教育イノベーター」でもある高等部の阿保孝志朗教諭が主導。臨時休校が決まった4月17日から2日間で準備し、通信環境が整った高等部と小学部を対象に行った。[br] 配信する教員は、カメラの前で手話をする人、文字を打ち込む人、パソコンを操作する人の3人態勢。通信環境が悪いと映像が途切れて手話が分かりにくいことがあるため、発言を字幕のように文字でも表示している。[br] 5月1日、休校中最後の遠隔授業を実施。高等部では朝と夕の1日2回、生徒が現況報告や勉強に関する質問をするホームルーム形式を採用している。[br] 在籍する生徒10人中9人が自宅から参加。教員が「今日は何をして過ごしたか教えて」と問い掛けると、生徒はそれぞれが持つタブレットなどの画面を通し、手話で「弟と一緒に遊んだ」「外を走った」などと報告していた。[br] 3年の水谷颯(そう)さんは取材に「遠隔授業の時間が決まっているので、家にいるのに学校のようで大変」と苦笑い。1年の藤田優翔さんは「通信状況が悪くて内容が分かりにくいこともあったが、直接会わなくても会話ができるので、感染予防にはよい手段だと思う」と評価した。[br] 高等部の生徒は遠隔授業のほかにも、提出した課題の添削や、生徒と教員のグループ内でメッセージをやりとりできるオンラインサービスを利用。ICTを活用した教育を積極的に取り入れている。[br] 阿保教諭は「家庭での通信環境整備など保護者の負担もあり、いいことばかりではないが、距離を超えてつながれるのが遠隔教育の利点」と説明。「また休校になっても、次は各教科の授業など新たな挑戦もしたい」と意気込みを語った。青森聾学校での遠隔授業の様子。中央の教員が手話を用いて会話し、手前の教員が字幕を入力する=1日、青森市