【新型コロナ】高総文・ネット開催へ/生徒たち、初の試みに期待と不安交錯

参加者を集めず、インターネットを活用して開催されることが決まった今夏の全国高校総合文化祭。初の試みに生徒たちには期待と不安が交錯する(写真はコラージュ。昨年10月の青森県高総文祭の様子)
参加者を集めず、インターネットを活用して開催されることが決まった今夏の全国高校総合文化祭。初の試みに生徒たちには期待と不安が交錯する(写真はコラージュ。昨年10月の青森県高総文祭の様子)
今夏、高知県で予定されている全国高校総合文化祭が新型コロナウイルスの感染防止のため、参加者を集めずにインターネットを活用して開催されることについて、出場を目指す青森県内の生徒や指導者からは、中止という最悪の事態が回避されたことに安堵(あんど.....
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 今夏、高知県で予定されている全国高校総合文化祭が新型コロナウイルスの感染防止のため、参加者を集めずにインターネットを活用して開催されることについて、出場を目指す青森県内の生徒や指導者からは、中止という最悪の事態が回避されたことに安堵(あんど)の声が上がった。一方、演劇や合唱、吹奏楽などは、あらかじめ撮影した動画で審査が行われる可能性が高いことから、「機材や録画環境で評価に差が出ないか心配」「迫力が伝わらないのでは」など不安視する意見も聞かれるなど、全てが初めての試みに期待と不安が交錯した。[br] 将棋部門への出場が確実視される八戸高3年の生平大悟さん(17)は「開催の可能性が出てうれしい」と声を弾ませる。現在は大舞台へ向けてオンライン対局で腕を磨く。[br] 書道部門に参加する野辺地高3年の安田妃那さん(17)も「展示の場があってよかった」と、数カ月掛けて仕上げた力作を出展できることを喜びつつ、「自分の作品が会場に並ぶところを見られないし、現地で他の作品も見たかった」と複雑な心境を語った。[br] 一方、演劇や合唱、吹奏楽など表現力を競う部門の生徒や教師からは、前例のない開催方式への戸惑いが広がる。[br] 2021年度末で閉校となる田子高の郷土芸能部は、全校生徒計20人が郷土芸能部門に出場予定。来年度は演目に必要な人数が確保できないため、全国高総文祭への参加は今年が事実上最後となる。3年の大向沙紀部長(17)は「大会の開催方式は変わったが、目標の最優秀賞を目指してしっかり練習したい」と集大成の舞台を見据える。[br] 撮影した動画が審査されることについては「目の前で見てもらえないので、迫力が審査員に伝わるか心配」と率直な思いも。顧問の伊藤慎教諭は「私立と公立、都市部と地方では施設や設備に差が出る。参加者の条件が平等になるようにしてほしい」と主催側に配慮を求めた。[br] 弁論部門に出場する三本木高2年の小向快奈さん(16)は「他の出場者の弁論を間近で見たり、交流したりすることを楽しみにしていた」と会場に行けないことを悔しがる。「弁論は人が目の前にいるから、伝えたいという思いが強くなる。人がいない大会形式なら、声の強弱や表情などを改めて練習しないと」と戦略を練り直す考えだ。[br] 小向さんを指導する時村香教諭は、これまで全国大会に生徒を引率した経験を振り返り、「生徒は会場の雰囲気を感じることで一気に成長する。他の出場者との交流もいい刺激になるので、その機会がなくなることが残念」と話しながら、今後も生徒を全力でサポートする姿勢を示した。参加者を集めず、インターネットを活用して開催されることが決まった今夏の全国高校総合文化祭。初の試みに生徒たちには期待と不安が交錯する(写真はコラージュ。昨年10月の青森県高総文祭の様子)