漁業関係者、おおむね理解/八戸みなと漁協市場部、八戸魚市場へ統合

八戸みなと漁協が事務所を置く八戸市第3魚市場=12日
八戸みなと漁協が事務所を置く八戸市第3魚市場=12日
漁業者に寄り添えるか―。八戸魚市場と八戸みなと漁協による、卸売部門の一本化の方針が明らかになった12日、八戸市内の漁業関係者は近年の水揚げ不振を念頭に、おおむね理解を示した。半面、小型船の関係者からは「株式会社で採算重視の魚市場が、(規模の.....
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 漁業者に寄り添えるか―。八戸魚市場と八戸みなと漁協による、卸売部門の一本化の方針が明らかになった12日、八戸市内の漁業関係者は近年の水揚げ不振を念頭に、おおむね理解を示した。半面、小型船の関係者からは「株式会社で採算重視の魚市場が、(規模の小さな漁業者を)どこまで理解してくれるか」との不安の声も聞かれた。[br] 「水揚げが減り、市場はどこも大変だろうと思っていた。それだけ厳しいということ」。中型イカ釣り船「第67源栄丸」の大橋社漁労長は、八戸みなと漁協の卸売事業廃止を冷静に受け止めた。[br] 小型船を所有する70代の男性は「漁協は漁業者に合わせた時間で荷受けなどをしてくれた。しかし、魚市場は巻き網船やトロール船など大きな船を優先しているように思える」とこぼした。[br] 漁業者にとって、何かと融通が利く漁協は心強い存在。それだけに「大きい方(魚市場)が自分たちのような小さな漁業者を相手にするだろうか。みんな不安を感じている」と心境を吐露した。[br] ある漁協関係者は「水揚げが減る中で、やむを得ない。数の問題ではなく、八戸の市場が元気になってくれればいい」と前置き。その上で「魚市場と漁業者、互いに歩み寄ることが不可欠」と指摘した。[br] 太平洋沿岸の5漁協は現在、県内の漁協再編に伴う合併協議を進めている。そのリーダー役と位置付けられるのが八戸みなと漁協だ。この漁協関係者は、事業廃止が今後の協議にどこまで影響するか不透明としながらも、「合併には足並みをそろえる必要がある。乗り越えなければならない」と続けた。[br] 事業廃止を決めた八戸みなと漁協の岡沼明見組合長は「残念だという声はたくさん届いている」と明かし、苦渋の決断だったことを強調。「今後は産直施設の運営などに力を注ぎたい」と述べるとともに、漁協合併についても「国の補助事業などに対応できるスタッフをそろえないと。小さな組織では今後、立ちゆかなく恐れがある」と引き続き取り組む姿勢を示した。八戸みなと漁協が事務所を置く八戸市第3魚市場=12日