天鐘(4月29日)

ヒマワリのような人だった。チャンネルを合わせればいつも底抜けの笑顔がそこにあった。突然のお別れだ。63歳と聞いて愕然(がくぜん)となる。新型ウイルスで亡くなった女優岡江久美子さん▼「連想ゲーム」で見せた知性、ドラマで演じた日本一のお母さん….....
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 ヒマワリのような人だった。チャンネルを合わせればいつも底抜けの笑顔がそこにあった。突然のお別れだ。63歳と聞いて愕然(がくぜん)となる。新型ウイルスで亡くなった女優岡江久美子さん▼「連想ゲーム」で見せた知性、ドラマで演じた日本一のお母さん…。振り返ればどの番組も忘れられない。その親しみやすいキャラクターはみんなに愛された。いつも周りを明るく照らしていた▼個性を一気に花開かせたのが、おなじみの「はなまるマーケット」。オウム事件を巡るテレビ局の不祥事で打ち切られたワイドショーの後を受けて始まった。柔らかい生活情報番組へと軌道修正、いわば「背水の陣」の時間帯だった▼持ち前の明るさで岡江さんはこれを支える。天真爛漫(らんまん)なおしゃべりで盛り上げ、歯に衣着せぬ発言で笑いも誘った。お出かけ前の茶の間に元気を届けて17年。押しも押されぬ朝の顔になった▼見習いたいほどの自然体は誰をも幸せにした。それだけに家族との再会を果たせぬままの旅立ちは、さぞ無念だったに違いない。神様の非情を恨みながら、今は静かに「ありがとう」と送るしかない▼番組の終わりに岡江さんはいつもこう言っていた。「今日も一日“はなまる”な日を」。コロナの怖さを教えてくれた。マスク、手洗いを徹底しよう。一日が終わって、天国の岡江さんから「そう、今日は“はなまる”よ」と褒めてもらえるように。