天鐘(4月18日)

コロナ禍の緊急事態宣言で、首相は大都市部に続いて全国を対象にした“最後のカード”を切った。一律10万円の交付に舵(かじ)を切る「大義」でもあるとか。いずれにせよ賽(さい)は投げられた▼「人との接触を8割削減」を叫ぶ北大の西浦博教授が「2週間.....
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 コロナ禍の緊急事態宣言で、首相は大都市部に続いて全国を対象にした“最後のカード”を切った。一律10万円の交付に舵(かじ)を切る「大義」でもあるとか。いずれにせよ賽(さい)は投げられた▼「人との接触を8割削減」を叫ぶ北大の西浦博教授が「2週間で感染者数が落ち着き、1カ月で流行が止められる」と約束。東京など7都府県へ発令されて10日経過したが、未だ期待する数値は見えていない▼宣言は今の日本が持ち得る最強の積極介入策で“ハンマー”と呼ばれる。大都市に打ち込んだ1発目はどうやら目標の8割には達していないようだ。未達成層は地方に流れ、2発目が全国に向けて振り下ろされた▼後にも先にもこれが最後の1打になる。芯を外せば欧米のようなオーバーシュート(爆発的な患者増)を招き、医療が崩壊してなす術を失う。最悪を思えば恐怖の余りハンマーを振り下ろせなかったのかも…▼だが例え芯を捉えても戦いは終息しない。このウイルスに季節性はなさそうで夏も休めない。東北大の押谷仁教授は「執拗しつような攻撃と対峙(たいじ)するには持続的介入と強い武器を持つことが戦いの鍵を握る」と戦術を語る▼検査などの持続的介入は“ダンス”と呼ばれる。ハンマーで流行を叩いてダンスで時間を稼ぐ。その間に治療薬やワクチンを開発、敵を封じ込む。緩急をつけた長期戦が必至だ。皆の心が一つになれば勝てる気がしてきた。