天鐘(4月4日)

仕事を終えて帰宅すると、家族が丸くなってテーブルを囲んでいた。時間的に食事は済ませたはず。視線の先にはジグソーパズルがあった。4人がかりとはいえ、ピースは2千と数が多い。少し苦戦している▼勉強をして、音楽を聴いて、テレビを見て…。子どもにと.....
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 仕事を終えて帰宅すると、家族が丸くなってテーブルを囲んでいた。時間的に食事は済ませたはず。視線の先にはジグソーパズルがあった。4人がかりとはいえ、ピースは2千と数が多い。少し苦戦している▼勉強をして、音楽を聴いて、テレビを見て…。子どもにとって家にこもった状態での1日は長い。時間を持て余していたところ、部屋の奥に眠るパズルの存在を思い出したらしい。こんな気晴らしも悪くない、と晩酌を傾ける▼突如として学校が休みになってから1カ月余り。年度が切り替わり、週明けには学びやに元気な声が戻るはずだった。新型コロナウイルスの影響で、八戸市や階上町の小中学校では実質的に休校が継続される▼国内情勢を伝えるニュースで、「緊急事態宣言」「爆発的感染」という刺激的な言葉が飛び交う。青森県内でも感染者が増え、事例が多様化。緊張感が高まるにつれ、心の余裕が失われていくようでもある▼目に見えないウイルスへの不安、そして不便を強いられる現状への不満。“コロナ疲れ”には大人でも滅入(めい)ってしまう。外出もままならない自粛生活に、子どもの心身のストレスはなおさらだろう▼録画したままのドラマや映画を楽しんでもいい。書棚を探せば読みかけの本が見つかるかもしれない。「忘れていた」「できなかった」ことをやってみる。家の中でも、ちょっとした気分転換はできる。