青森県は30日、五所川原保健所管内で新たに1人の新型コロナウイルス感染者が確認されたと発表した。感染したのは20代の男子学生。現在、五所川原市内の感染症指定医療機関に入院している。鼻づまりの症状が見られるが、肺炎には至っていないという。これで県内の感染者は計8人となった。濃厚接触者の40代の父は陰性だった。[br] 県によると、男子学生は20日、留学先の米国ニューヨークから羽田着午後10時ごろの便で帰国。21日に東京都内で県外出身の友人の20代男性と会った。[br] その後、男子学生は24日、東京駅から午後3時28分発の東北新幹線「はやぶさ33号」2号車15番Eの座席に乗車し帰省。新幹線の車内は混雑はしておらず、マスクを着用していなかった。新青森駅からは父が運転する車で自宅へ移動した。[br] 帰国前に父が保健所に相談し、指導を受けており、男子学生は25日から28日までの4日間は自宅から外出せず、1日2回の検温を行うなどの健康観察に徹し、目立った症状は見られなかった。[br] だが、29日になって37・5度の発熱を確認。翌30日も鼻づまりの症状が続いたため、五所川原市内の感染症指定医療機関を受診し、同じく37・5度の熱があった父と共にPCR検査を行った。[br] 一方、都内で会った友人は、県外で行われたPCR検査で25日に陽性が判明。26日になり、友人の検査をした保健所から、県内の保健所に「男子学生が濃厚接触者の可能性がある」と連絡があった。[br] 新型ウイルスの感染した場所は、米国か都内かは不明。男子学生の自宅には父のほか、別棟に祖母が暮らしていた。[br] 30日夜に県庁で会見した三村申吾知事は「デマや不確実な情報に惑わされず、差別が生じないよう冷静な行動をお願いしたい」と述べるとともに、感染拡大防止に全力を傾ける姿勢を示した。[br] 五所川原保健所は、五所川原市、つがる市、中泊町、鯵ケ沢町、深浦町、鶴田町の2市4町を管轄。県は公表基準に従い、感染拡大の防止のために必要であれば市町村名を公表するとしているが、今回は該当しないとしている。