青森県は9日、クロマグロの第6管理期間(2020年4月~21年3月)について、漁獲枠の有効活用に向けた新たな配分方法を示した。各漁協に割り当てられた枠のうち半分を「固定枠」とし、残りの半分を前期(4月~8月)と後期(9月~3月)に分け、前期で使い切れなかった枠を後期へ配分できる仕組みとした。近年、単価が低い時期の漁を避ける「漁控え」で枠を余らせてしまう漁協が多かったため、県は漁のピークに応じて漁獲量を調整できる方法を導入し、枠を効率よく最大限に活用させたい考えだ。[br] 同日開かれた県議会の一般質問で、菊池憲太郎議員(自民)の質問に対し、高谷清孝農林水産部長が答えた。[br] 第5管理期間(19年4月~20年3月)の県内のクロマグロ漁獲量は、漁期がほぼ終了した1月末時点で、大型魚(30キロ以上)が324・4トンで枠の消化率は69%にとどまった。小型魚(30キロ未満)は258・5トンで89%だった。[br] 第6管理期間で各漁協に配分される枠は、第5管理期間の漁獲実績に応じて設定。枠は「固定枠」と、前期と後期で割合を調整できる「委員会枠」の二つに分ける。委員会枠は県内40漁協と県でつくる管理委員会が管理し、各漁協の漁獲状況に応じて配分を調整。委員会枠は固定枠を消化した後に活用できる。[br] 委員会枠の運用例として、9月以降の一本釣りやはえ縄漁でクロマグロを多く収穫したい場合、漁シーズンではない前期の漁獲枠を減らし、減らした分を後期に充てられる。[br] 管理委は2月、青森市で新たな配分の仕組みに関する説明会を開き、関係漁協の賛同を得たという。