リンドウ科の植物であるトルコギキョウは切り花として人気が高く、民間の種苗メーカーが新種を毎年開発している。中でも白の大輪は用途が幅広い半面、他の色の品種より栽培が比較的難しいとされる。[br] 八戸市農業経営振興センターは2018、19年度、白の大輪に重点を置き、新旧合わせて13の品種を比較した。2月に種まきした苗を4月に定植。7月下旬~8月中旬の収穫は、お盆需要の時期の出荷を想定している。[br] 主要な評価ポイントは、茎の長さ(切花長)と太さ、硬さ。切花長は生花店で販売する際、茎を徐々に短く切る「切り戻し」で鮮度を保つため、相応の長さが必要となる。また、大輪の花を支えられるよう、太く硬い茎が好まれる。[br] 切花長はグラフのように、60~90センチ台と大きな開きがみられた。茎が最も太かったのは「パティオメガホワイト」の8・1ミリ。茎が比較的硬かったのは「キングオブスノープレミアム」「ボヤージュホワイト」など4品種だった。全品種とも開花数と花蕾数は6個以上で、目立った病虫害はなかった。[br] 調査を担当した佐々木達也技師は「育ちは土壌との相性や栽培方法によっても左右されるので、一概に適性は評価できない」と注意を促す。「品種の特性を理解し、水やりや温度管理によって改善することもできる。調査結果を参考にしつつ、使用用途や栽培方針、生産者自身の好みに応じて品種を選択してもらえれば」と指摘した。[br] 20年度は、白以外の多彩なカラーを中心に、各メーカーの品種を比較する予定で、気になる品種の問い合わせも受け付けている。