【八戸市栽培研究リポート】(1)イチゴ

将来のイチゴ主力品種として期待が掛かる「よつぼし」(八戸市農業経営振興センター提供)
将来のイチゴ主力品種として期待が掛かる「よつぼし」(八戸市農業経営振興センター提供)
八戸市農業経営振興センターは2017年度から、イチゴの新品種「よつぼし」の栽培適性調査を行っている。従来の品種に比べ、単収や単価の向上が見込めることから、青森県内最大のイチゴ生産地である八戸の次代を担う“エース”として期待されている。 「さ.....
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 八戸市農業経営振興センターは2017年度から、イチゴの新品種「よつぼし」の栽培適性調査を行っている。従来の品種に比べ、単収や単価の向上が見込めることから、青森県内最大のイチゴ生産地である八戸の次代を担う“エース”として期待されている。[br] 「さちのか」などの現在の主力品種は、促成栽培の場合、夕刻から明け方までハウスを遮光する「短日処理」、その間の室温を低く保つ「夜冷処理」で成長を調節する必要がある。一方、よつぼしは短日・夜冷処理を省略しても十分に育つのが特色で、八戸の風土に適していれば省力化につながる。病害が連鎖しにくい、種から育苗できる点も長所だ。[br] 調査は、よつぼしの苗を7月にポットへ定植した後、短日・夜冷処理をした場合と、しなかった場合とで生育や収量、品質などを比較。19年度は、平均果重、秀品率、10アール当たりの秀品収量のいずれも「処理なし」の方が優れていた。[br] 総収量こそ「処理あり」に及ばなかったが、調査を担当する外和昌大技師は「わざわざ夜冷・短日処理をしなくても、同等の成果を収められることが分かってきた」と分析。主力生産地の市川地区でも、よつぼしに注目する農家が徐々に増えており、「生産者の疑問に応えられるよう、今後もより良い栽培方法について引き続きデータを収集したい」と意欲的だ。[br] よつぼしは夏秋イチゴとしての性質もあるため、現在は他品種も併せ、夏秋期栽培の特性についても調査を進めている。[br]  ……………………[br] 同センターで19年度に実施された、イチゴ、トマトネギなどの農産物の栽培調査について、その背景や最新の成果などを紹介する。将来のイチゴ主力品種として期待が掛かる「よつぼし」(八戸市農業経営振興センター提供)