再処理工場、6年超の審査が実質終了 原燃補正書に規制委慎重、追加会合の可能性も

使用済み核燃料再処理工場の自然災害対策を了承した審査会合=21日、東京都内
使用済み核燃料再処理工場の自然災害対策を了承した審査会合=21日、東京都内
原子力規制委員会は21日、使用済み核燃料再処理工場(六ケ所村)の審査会合を開き、日本原燃の地震想定など自然災害対策に関する説明を了承した。もう一方の審査項目で焦点だった重大事故対策も議論を終えており、2014年1月から6年余に及んだ審査が実.....
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 原子力規制委員会は21日、使用済み核燃料再処理工場(六ケ所村)の審査会合を開き、日本原燃の地震想定など自然災害対策に関する説明を了承した。もう一方の審査項目で焦点だった重大事故対策も議論を終えており、2014年1月から6年余に及んだ審査が実質的に終了した。[br] 原燃は、これまで説明してきた内容を補正申請書にまとめて2月末にも提出したい意向だ。問題なければ規制委が事実上の合格証(審査書案)を作成する見通しだが、更田豊志委員長は「取りまとめに関して(時期を)言うのは時期尚早」と慎重姿勢を崩さない。追加の会合で改めて原燃に説明を求める可能性もある。[br] 原燃はこの日、政府の地震調査委員会が日本海溝沿いの地震活動について示した最新の長期評価を考慮しても、工場の耐震性には影響しないとの見解を示した。敷地内に新設する冷却塔の地盤評価なども改めて説明したのに対し、規制委の石渡明委員は「会合で審議すべき論点はない」と締めくくった。[br] 補正書には、18日に一通りの議論を終えた重大事故対策も漏れなく盛り込む必要がある。一方、終盤の審査では補正書のベースとなる会合資料への記載不足が度々指摘された他、過去には誤記や落丁といった書類の不備も判明した。[br] 原燃の金谷賢生執行役員は会合後の取材に「できるだけ速やかに提出したい」と述べたが、精査に時間を要し3月にずれ込む可能性が出ている。規制委による審査書案の取りまとめも延びれば、原燃が21年度上期を目指す工場完成は一段と厳しくなりそうだ。使用済み核燃料再処理工場の自然災害対策を了承した審査会合=21日、東京都内