日本銀行青森支店は13日、青森県内の金融経済概況を発表した。県内の景気は一部に弱めの動きが見られるとしたが、「緩やかな回復基調にある」との判断を維持した。ただ、新型コロナウイルスによる肺炎拡大が経済に与える影響について、勝浦大達支店長は「中国からのインバウンド(訪日外国人客)や国内旅行の減少も考えられる。影響は感染の広がりに依存するので注視したい」と警戒感を示した。[br] 個人消費は10月の消費税増税による反動減の影響を受けながらも回復基調にあるとした。一方、乗用車販売は駆け込み需要と反動減に加え、部品の不具合による一部メーカーの生産遅延などで、持ち直しの動きに一服が見られた。百貨店販売額は暖冬で冬物衣料が不調となり、前年から減少した。[br] 生産動向は「ごく緩やかな増加基調にある」と判断。業種ごとに持ち直しと減速が混在し、電気機械等はスマートフォン向け部品の好調で増加しているが、海外を中心とした競合激化で鉄鋼は弱含んでいる。生産分野のマイナス要因となっている米中貿易摩擦について勝浦支店長は「一時に比べ緊張は緩和されているが、下押しリスクが出てくる可能性はある」とした。[br] 設備投資は一部に慎重化する動きが見られるが、横ばい圏内で推移。雇用は引き続き「労働需給は引き締まっている」と判断した。[br] 県内金融機関の実質預金残高(12月)は5兆2443億円(前年同月比1・3%増)、貸出残高は3兆759億円(0・4%減)だった。