【青銀、みち銀経営統合】課題山積どう克服 公的資金返済や行員同士の融和

青森銀行とみちのく銀行は14日、合併を前提とした経営統合に向けた協議入りで基本合意した。今から3年後の合併を目標にして歩み出す両行だが、みち銀が抱える公的資金の返済や、行員同士の融和など解決するべき課題は多い。協議はスムーズに進むのか―。 .....
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 青森銀行とみちのく銀行は14日、合併を前提とした経営統合に向けた協議入りで基本合意した。今から3年後の合併を目標にして歩み出す両行だが、みち銀が抱える公的資金の返済や、行員同士の融和など解決するべき課題は多い。協議はスムーズに進むのか―。[br][br] 「公的資金があるから経営統合する訳ではない」[br][br] 藤澤頭取は会見で、語気を強めながらこう説明した。このタイミングで経営統合協議に入ることについて、2009年にみち銀が注入を受けた公的資金200億円の返済が約3年後に迫っているため―との見方が強いためだ。[br][br] みち銀は4月末に、公的資金の返済を見据えた「第6次中期経営計画」(21年4月~24年3月)を公表。事業者の課題解決を支える企業支援などに力を入れ、24年3月期のコア業務純益を45億円以上(21年3月期決算では29億円)などの目標を掲げた。[br][br] 藤澤頭取は「計画を進めることで剰余金を積み立て、返済することは可能。青銀に負担は掛けない」と強調。一方の成田頭取は「公的資金は非常に大きな問題」とくぎを刺し、みち銀として期限内の返済に全力を挙げるよう暗に求めた。[br][br]   ■    ■[br][br] 両頭取が課題として挙げるのは組織の融和だ。長年ライバルとして競い合ってきた両行は、自治体や中堅以上の企業の取引が多い青銀、中小企業や個人の取引に強みを持つみち銀―と、顧客や営業姿勢など企業風土は大きく異なる。統合効果を引き出すには、それぞれの行員が結束して業務に取り組むことが不可欠だ。[br][br] 両行は22年4月に持ち株会社を作った上で、2年後の24年4月の合併を目指し、段階的に組織やシステムの擦り合わせを進めていく方針を示す。 成田頭取は「違いがあるからこそ、多角的に地域を見られる」と相乗効果に期待を示し、藤澤頭取は「持ち株会社で走りだしている間に、人事交流を積極的に行うなど継続して融和策を展開していきたい」と対応に力を入れる考えだ。[br][br]   ■    ■[br][br] 新型コロナウイルスの影響が長期化する中、事業者を直接支援する地銀の役割は増している。ただ、経営統合には多大なエネルギーを要するため、取引のある事業者からは「満足な支援が受けられなくなるのでは」と不安の声が聞かれる。[br][br] 競争関係がなくなることで、借り手の選択肢が減り、金利の面で不利になったり、借りられるお金が減ったりするなど、顧客への悪影響も懸念される。[br][br] 成田頭取は「金融マンとして一番やるべきことは、顧客にどう答えるかだ。本業支援に全力を注ぐ」と述べ、藤澤頭取は「統合にはマンパワーが掛かるが、顧客に影響がないようにする」とし、事業者に寄り添う姿勢を強調した。