【八戸三社大祭・合同運行見送り】関係者、無念さにじむ 後進育成、伝統継承課題

2年連続で規模縮小となる八戸三社大祭。後進育成や伝統の継承といった課題が山積する(2019年7月のお囃子練習の様子)
2年連続で規模縮小となる八戸三社大祭。後進育成や伝統の継承といった課題が山積する(2019年7月のお囃子練習の様子)
新型コロナウイルスの影響で、昨年に続き、神社行列や山車の合同運行が見送られ、各神社の例祭と祭典のみとなる八戸三社大祭。方針が決まった11日、祭り関係者は「感染防止のためやむを得ない」と一定の理解を示しながらも無念さをにじませた。2年連続で大.....
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 新型コロナウイルスの影響で、昨年に続き、神社行列や山車の合同運行が見送られ、各神社の例祭と祭典のみとなる八戸三社大祭。方針が決まった11日、祭り関係者は「感染防止のためやむを得ない」と一定の理解を示しながらも無念さをにじませた。2年連続で大幅な規模縮小を余儀なくされ、山車組の存続や参加者の確保といった課題は山積。「後進育成や伝統継承への影響は避けられない」と“祭り離れ”に危機感を募らせている。[br][br] 祭り発祥の龗(おがみ)神社は8月2日の例祭は通常通りに開催するが、関連行事を取りやめる。坂本博史権禰宜(ごんねぎ)は「神社行列は医療関係者や学校教職員、企業に依存するところが大きく、参加してもらうのは困難だ」と説明した。[br][br] 一方、新たな試みにも挑戦する考えで、「祭りを見つめ直し、勉強する機会は大切。今年は写真や動画をインスタグラムに投稿する“オンライン神輿渡御”を行って内外に発信していきたい」と意気込む。[br][br] はちのへ山車振興会の小笠原修会長は「4千人の参加者の健康を守るのは難しい。申し訳ない気持ちでいっぱいだが、来年こそは素晴らしい祭りにしたい」と前を向き、神社の祭典の中で何かできないかを模索する。[br][br] ただ、各山車組の存続は憂慮すべき課題と認識しており、「赤字で続けている山車組もある。昨年に引き続き行政に補助していただきたい」と訴える。[br][br] 「山車制作やお囃子(はやし)の後進が育たない」と危惧するのは六日町附祭若者連の責任者を務める田端隆志さん。山車運行に参加する子どもたちは、主に小学生の高学年で小太鼓を始め、やがて笛や大太鼓を担うため、祭りがないと技術の継承が難しくなると考える。[br][br] 「参加する子どもの感染を心配する親の気持ちも分かる。収束しても、今まで通り参加者が集まる保証はない」と懸念する。[br][br] 八戸市庁前市民広場のイベント「おまつり広場」も開催が見送られる。主催する八戸青年会議所の杉澤惟成副理事長は「祭りと共に約40年間歩んできた経緯がある。今年は別の事業を開催できないか検討していきたい」と強調した。2年連続で規模縮小となる八戸三社大祭。後進育成や伝統の継承といった課題が山積する(2019年7月のお囃子練習の様子)