新型コロナウイルスワクチンの高齢者接種に関し、厚生労働省が全1741市区町村に開始時期を聞いたところ、連休明けの10日の週に始める自治体が約390に上り、週別で最も多いことが2日分かった。ワクチンが4月下旬から全市区町村に発送された上、今後配送量が大幅に増える。約3600万人のうち実施率約0・4%止まりだった高齢者接種が、各地でようやく本格化する見通しとなる。[br][br] 政府は、市区町村に約3カ月で高齢者接種を終える態勢づくりを要請。感染「第4波」が拡大する中、7月末までに接種を完了させる意向だ。[br][br] 厚労省は4月12日の高齢者接種スタートに先立ち、全市区町村に7日時点での予定を聞いた。[br][br] 約390自治体が5月10日の週に始めるとした理由は「確実にワクチンが届く時期で医師も確保しやすかった」(長野県池田町)など。うち約210自治体が具体的な日付を回答した。最も多かったのは10日で、秋田県にかほ市、兵庫県市川町、香川県さぬき市など約120自治体が接種をスタートさせる見込み。11日が約40自治体、12日が約20自治体で続いた。[br][br] 連休を含む3日の週とした自治体は約270。3日は、埼玉県春日部市、兵庫県相生市、鹿児島県奄美市など少なくとも7市町村が実施予定。75歳以上の人から始める神奈川県清川村の担当者は「介助が必要な人もいるため、家族が付き添える祝日にした」と話す。[br][br] 5月17日の週と答えた自治体は約120、24日の週は約50だった。埼玉県滑川町は31日、福島県鏡石町などは31日の週以降とした。約100自治体が「検討中」か記載がなかった。[br][br] 一方、4月では12日の週とした自治体は約160、19日の週は約340、26日の週は約310だった。ワクチン供給が乏しかったことなどから、1回目の接種を終えた高齢者は、政府集計によると4月29日時点で約14万人にとどまる。[br][br] 青森県では、八戸市や十和田市、むつ市など19市町が1回目の接種を開始済み。六戸町などが週内にスタートさせ、おいらせ町や東北町など14町村が連休明けの10日の週に開始する。[br][br] 一方、岩手県北地域では、久慈市や洋野町が開始済み。二戸市や野田村などが連休明けの週での開始を予定している。