池袋暴走事故 被告、意図せず加速「パニック」 踏み間違い否定

 東京・池袋の乗用車暴走事故で亡くなった妻の真菜さんと長女莉子ちゃんの写真を前に、記者会見で涙を拭う松永拓也さん=27日午後、東京・霞が関の司法記者クラブ
 東京・池袋の乗用車暴走事故で亡くなった妻の真菜さんと長女莉子ちゃんの写真を前に、記者会見で涙を拭う松永拓也さん=27日午後、東京・霞が関の司法記者クラブ
東京・池袋で2019年4月、乗用車が暴走して2人が死亡、9人が重軽傷を負った事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた旧通産省工業技術院の元院長飯塚幸三被告(89)は27日、東京地裁で開かれた初の被告人質問で「アクセルを踏んで.....
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 東京・池袋で2019年4月、乗用車が暴走して2人が死亡、9人が重軽傷を負った事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた旧通産省工業技術院の元院長飯塚幸三被告(89)は27日、東京地裁で開かれた初の被告人質問で「アクセルを踏んでいないのに加速した。車が制御できず恐ろしく感じ、パニック状態になった」と述べ、自身に過失はないとの認識を示した。[br][br] 背中を丸め、車いすで出廷した飯塚被告。検察側から、アクセルとブレーキを踏み間違えた可能性がないかと何度も問われたが、しっかりとした口調で「間違えた記憶は一切ない」と否定した。[br][br] 事故で妻松永真菜さん=当時(31)=と長女莉子ちゃん=同(3)=を亡くした拓也さん(34)が、被害者参加制度を利用して検察側の席に座った。飯塚被告は遺族に対し「冥福を祈りたい気持ちでいっぱいだ」と話す一方、遺族の方に顔を向けることはなかった。[br][br] 事故について、飯塚被告は左側に車線変更しようとした際、意図せず加速し「ブレーキを踏んだが減速しなかった。視線を落として確認したら、アクセルペダルが床に張り付いているように見えた」と説明した。[br][br] 飯塚被告が歩く際につえを使い、ドライブレコーダーの映像と記憶が一致しない点が複数あるとして、検察側が認知機能や運動機能の問題を指摘したが、被告は「全く問題はなく、車のない生活をしようとは考えていなかった」と反論した。[br][br] 拓也さんは閉廷後、東京都内で記者会見し、飯塚被告の主張について「悔しくむなしい。事故後、きょうが一番絶望を感じた」と涙を拭った。[br][br] 起訴状によると、19年4月19日昼すぎ、東京都豊島区東池袋4丁目の横断歩道を自転車で渡っていた真菜さんと莉子ちゃんを乗用車ではねて死亡させ、助手席の妻を含む当時2~90歳の男女9人に重軽傷を負わせたとしている。 東京・池袋の乗用車暴走事故で亡くなった妻の真菜さんと長女莉子ちゃんの写真を前に、記者会見で涙を拭う松永拓也さん=27日午後、東京・霞が関の司法記者クラブ