霜害に気をもむ生産者 高温で果樹の生育早く/青森県内

3月の記録的な高温が影響し、青森県内ではサクランボが平年より早い開花を迎え、霜害への懸念が広がっている=22日、三戸町
3月の記録的な高温が影響し、青森県内ではサクランボが平年より早い開花を迎え、霜害への懸念が広がっている=22日、三戸町
3月の記録的な高温の影響で、青森県内全体で果樹の生育が1週間から10日ほど早く進み、農家に霜害への懸念が広がっている。県内有数の産地の三八地域では、さまざまな果樹が既に開花しており、昨年、春の低温で不作に見舞われたサクランボ農家らが霜害対策.....
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 3月の記録的な高温の影響で、青森県内全体で果樹の生育が1週間から10日ほど早く進み、農家に霜害への懸念が広がっている。県内有数の産地の三八地域では、さまざまな果樹が既に開花しており、昨年、春の低温で不作に見舞われたサクランボ農家らが霜害対策に気をもむ。早咲きは農作業のスケジュールも狂わせる。複数の果樹を育てる農家は、例年計画的に授粉作業に当たってきたが、開花時期が重なり、工程の見直しを迫られる。[br][br] 青森地方気象台によると、3月は八戸で最高気温21・9度を観測するなど、月平均気温が県内全23地点で過去最高を更新した。[br][br] 「こんなに生育が早いのはなかなかない。全てのスケジュールを見直さないと」。三戸町で果樹栽培を行う山田仁志さん(53)も、駆け足で進む生育状況に頭を悩ませる。[br][br] 園地ではサクランボの「紅秀峰」や県独自品種「ジュノハート」などが白い花を付ける。生産者仲間からは霜の被害の情報も寄せられており、「花が咲く時期は生育が進むほど、寒さに弱い。5月まで霜が降りる可能性があるので、何とかこの時期を乗り越えたい」と警戒感を強める。[br][br] サクランボなどを手掛ける南部町の40代の男性農家は「数%だが、既に霜で駄目になってしまった花芽もある」とうなだれる。サクランボの授粉作業を急ぐ中、リンゴの花が満開になった。26日からリンゴの授粉に取り掛かり、「いろいろな作業が一気に来てしまった印象。霜にも注意しないといけないし、忙しい時期が早くも始まってしまった」と汗を拭う。 今シーズンは県外でも果樹の開花が早く、サクランボ産地の山形県や福島県では霜害が発生し、今後の生育への影響が心配されている。[br][br] 青森県産業技術センターりんご研究所県南果樹部(五戸町)の内藤誠部長は「日中は暖かくても、まだまだ朝晩の冷え込みは強い。霜の対策や人工授粉を徹底しながら、結実確保に努めてほしい」と話す。3月の記録的な高温が影響し、青森県内ではサクランボが平年より早い開花を迎え、霜害への懸念が広がっている=22日、三戸町