首相側近議員へ厳しい目 政権求心力に影響も

 菅首相に近い主な無派閥議員
 菅首相に近い主な無派閥議員
菅義偉首相を支持する無派閥グループの議員に厳しい目が注がれている。坂井学官房副長官が会長を務める「ガネーシャの会」のメンバー13人が食事を伴う会合を官邸で開いて反発を招いた。派閥的色彩の強い集まりで「官邸を私物化した」という批判だ。党内基盤.....
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 菅義偉首相を支持する無派閥グループの議員に厳しい目が注がれている。坂井学官房副長官が会長を務める「ガネーシャの会」のメンバー13人が食事を伴う会合を官邸で開いて反発を招いた。派閥的色彩の強い集まりで「官邸を私物化した」という批判だ。党内基盤が弱い首相にとって「菅印」議員は貴重な戦力だが、失点が続けば自身の求心力に影響しかねない。[br][br] 「報道の方が早いじゃないか」。21日昼、インドなど大型連休中の首相外遊中止を伝達した坂井氏に自民党幹部がかみついた。首相の脇を固める坂井氏を巡っては、党内で「大事なことを言ってこない」「調整できない」との不評が目立つ。そのきっかけの一つが官邸での派閥的会合だ。[br][br] 会合は1日昼、坂井氏の執務室で実施された。4人以下の四つのグループに分かれて食事。その後約40分間、マスクを着用して国会情勢などについて意見交換した。藤井比早之内閣府副大臣や三谷英弘文部科学政務官らも参加していた。[br][br] 与党内から「政務と公務の区別が付いていない」との苦言が噴出。野党も立憲民主党の枝野幸男代表が「官邸で開く合理的な理由がない」と坂井氏に辞任を迫った。[br][br] タイミングも悪かった。政府はこの日、宮城、大阪、兵庫3府県に新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」を全国初適用すると決定。「大人数の会食自粛を呼び掛ける政府のメッセージが弱まった」(閣僚経験者)との不満が渦巻く。[br][br] 首相を囲むグループは衆院当選4回以下のガネーシャをはじめ、「参院有志の会」など複数ある。いずれも無派閥、非世襲議員が主体で、たたき上げの首相と共通点が多い。首相は選挙対策を細かく助言する一方、無派閥議員を要職に据え、政権内ににらみを利かせてきた。現政権では阿達雅志首相補佐官、熊田裕通総務副大臣、三原じゅん子厚生労働副大臣らがその例だ。[br][br] ただ側近重用は危うさもはらむ。官房長官時代には、無派閥の菅原一秀前経済産業相、河井克行元法相の初入閣を後押ししたが、ともに不祥事で辞任した。[br][br] 若手が多い「菅グループ」は指導役が不在という課題を抱える。ベテラン議員は「首相の身内には厳しいまなざしが向けられる。不祥事が相次げば政権運営にも支障を来す」と不安を口にした。 菅首相に近い主な無派閥議員