天鐘(4月21日)

人気アニメの映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が大ヒット中だという。監督は5年前に『シン・ゴジラ』を手掛けた庵野秀明さん。後に続く『シン・ウルトラマン』『シン・仮面ライダー』もファンの期待を集める▼「シン」の意味には正解がなく、解釈は個々.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 人気アニメの映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が大ヒット中だという。監督は5年前に『シン・ゴジラ』を手掛けた庵野秀明さん。後に続く『シン・ウルトラマン』『シン・仮面ライダー』もファンの期待を集める▼「シン」の意味には正解がなく、解釈は個々の観客に委ねられる。本当の姿を描いた「真」、昇華した存在としての「神」と諸説紛々。英語に根拠を求め、人類の原罪を指す「sin」との見方まである▼手元にある分厚い辞典を引いた。シンだけで100語近くある。映画鑑賞とは、内容を理解し、自らの経験などと融合させ、新たな世界を創る作業でもあるらしい。だから作品から受け取るメッセージは十人十色▼日米関係の基盤は、揺るぎない「信」であろう。踏み込んだ連携のありようは「深」なのか。初の対面会談で、菅義偉首相とバイデン大統領は名前で呼び合い、「親」の蜜月ぶりを内外にアピールした▼共同声明はかつての「清」、中国を名指し。半世紀ぶりに台湾の安定を明記した。覇権主義的な動き、人権を巡る強権的な手法を「侵」と懸念。同盟強化で抑止を狙うが、隣国は「震」のごとく猛反発している▼米中対立は「新」冷戦とも。先鋭化すれば不測の事態につながりかねない。「斟」と情勢を見極め、対話を促し、建設的な関係に導けるか。局面を打開する「進」の力、日本の主体性が問われよう。