希望に応じて週休3日を選べる「選択的週休3日制」の普及を目指す自民党1億総活躍推進本部(猪口邦子本部長)の提言案が19日、判明した。休日の増加は育児・介護との両立や、地方での副業など多様な勤務形態の後押しになると指摘。「能力を本業で生かすとともに、多元的な自己実現が可能な仕組みが必要だ」と訴えた。提言案は20日の本部会合で議論し、近く政府に提出する。[br][br] 週休3日制を巡っては加藤勝信官房長官が5日の記者会見で「党の提言を踏まえ、政府として検討したい」と表明。13日の経済財政諮問会議でも民間議員が活用を提起しており、政府は6月ごろに策定する「骨太方針」に盛り込む考えだ。ただ週休3日を選べば給料が減るのが一般的で、人件費抑制を目的とした導入をどう防止できるかが課題となりそうだ。[br][br] 提言案は週休3日の利用例として、子育てや介護、病気療養のほか、副業や兼業、大学院での学び直し、ボランティア活動への参加を挙げた。新型コロナウイルス下でテレワークが拡大したことから「日本には柔軟な就労への対応力が内在している」と分析、週休3日は実現可能とした。[br][br] 利点として、日常とは異なる経験が個人の活躍や能力発揮に役立つと提唱。週休3日制を安定した雇用と組み合わせることで「幸福感や所得の向上が可能となり、社会の安定につながる」と強調した。[br][br] 政府に対しては、推進に向けた予算確保を要請。地方創生に有益と位置付ける古里など地方での副業を広めるため、政府が昨年9月に改定した副業・兼業の促進ガイドラインの周知を求めた。[br][br] ■選択的週休3日制■[br] 希望する従業員に対し、1週間に3日の休日を付与する制度。労働基準法には休みの上限日数に関する規定はなく、企業は就業規則の改定や労使間の合意で導入できる。人手不足を背景に、子育てや介護を行う従業員に対する支援制度のニーズが高まっており、みずほフィナンシャルグループなどの民間企業が導入した。ただ厚生労働省の昨年の調査では、完全週休2日制より休みが多い企業の割合は8・3%にとどまっている。