安全対策工事に向けた設計認可(設工認)の審査が難航している使用済み核燃料再処理工場(六ケ所村)を巡り、原子力規制庁は7日、原子力規制委員会の定例会合で直近の審査状況を報告し、「申請の全体像については流動的な側面が強い」との認識を示した。一方、規制委の更田豊志委員長は設工認後の検査や確認も見据え、放射線量が高く実施が難しい場所もあることから、設工認段階で事業者の日本原燃と早急に共通理解を図るよう求めた。[br][br] 原燃は初回の設工認を昨年12月に申請。これまで3度の審査会合が開かれている。[br][br] ただ、試運転実績のある工場には既認可と未認可の設備機器が混在。数も膨大なため、申請対象を明確に仕分ける作業が必要だ。[br][br] 会合で説明した規制庁幹部は、これらの記載が初回の申請で「不十分」と指摘。原燃が作業を進める上で作成した社内向けの要領書にも不備があるとした。耐震分野など一部では、個別に進められる議論もあるという。[br][br] 一方、設工認の後には原燃が使用前事業者検査を行い、妥当性を規制委が確認する。更田氏は認可判断後を想定し「試運転の影響でアクセスできない場所はどう確認するのか。規制側と事業者に認識の違いがあると最後ににっちもさっちも行かない」と問題提起した。[br][br] 規制庁の担当者は取材に「まずは原燃から話を聞き、方向性を整理したい。(設工認の審査と)並行してできる部分もある」と述べ、当面の審査日程に、すぐに影響は出ないとの見方を示した。