【聖火リレー縮小の動き】都市部で目立つ「密」 ゴールまでつなげるか懸念も

 東京五輪聖火リレーのコロナ対応
 東京五輪聖火リレーのコロナ対応
島根県知事が中止を検討していた東京五輪聖火リレーは6日、ランナーの前を走るスポンサー車両の音量を制限する条件付きで、同県でも予定通り実施される方向となった。だが、3月25日のスタート以降、都市部は多くの観客が集まる「密」の場面が目立ち、大阪.....
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 島根県知事が中止を検討していた東京五輪聖火リレーは6日、ランナーの前を走るスポンサー車両の音量を制限する条件付きで、同県でも予定通り実施される方向となった。だが、3月25日のスタート以降、都市部は多くの観客が集まる「密」の場面が目立ち、大阪市の公道では走行中止となる見通しだ。鳥取県も規模縮小を検討しており、新型コロナウイルスの感染が再拡大する中、聖火をゴールまでつないでいけるのか懸念は残る。[br][br] ▽相次ぐ変更[br] 「県内で実施しないという判断は見送る」。島根県の丸山達也知事は6日夜の記者会見で、中止検討から一転して実施を容認すると表明した。[br][br] これに先立ち、大会組織委員会にスポンサーの演出縮小などの条件を申し入れた丸山氏。会見で「音楽イベントに近い形で展開する内容の改善を要請し、その対応を待ちたい」と語った。[br][br] 実施方法の変更は他の自治体に広がる。5日に「まん延防止等重点措置」が適用された大阪市。大阪府が、市内の公道での中止を組織委に申し入れ、代替措置も求めている。[br][br] 5月21、22日に予定する鳥取県も規模縮小を検討し、スポンサー車列やコース見直しを組織委と交渉する。浮いた予算は、コロナ対策に回して県内の飲食店支援などに充てる方針だ。[br][br] ▽波及を警戒[br] 3月25日、スタート地点となった福島県はサッカー施設「Jヴィレッジ」での式典は感染対策で一般観客を入れず、関係者らに限定された。今月1日に実施した長野市も感染者増加を受け、善光寺付近のリレーと、市役所広場での到着イベントを無観客にすると2日前に変更した。[br][br] 都市部では、密の発生が相次ぐ。初の政令指定都市で実施された名古屋市では5日、繁華街に多くの人が詰め掛け、対策に課題を残した。[br][br] 5月1、2日に聖火が入る沖縄県は感染者が急拡大している。県の担当者は「公道に人が集まれば感染対策には限界があり、他県の動向を見ながら考えたい」と話す。同様に感染者が増えている愛媛県の担当者は、一部区間での中止などさまざまな選択肢を検討していると明かし「ランナーの方々の思いがあるので、本音で言えばやりたい」と語った。[br][br] 組織委内には、他の自治体に公道での走行中止や規模縮小が波及すれば、五輪の開催そのものへの疑念を呼び起こしかねないとの見方がある。それでも、組織委幹部はこう話す。「自治体の意向に反して無理にやるのは反発を買うだけ。柔軟に対応した方がいい。リレーはあくまで大会前のイベントだ」 東京五輪聖火リレーのコロナ対応