福島第1原発の処理水、13日にも閣僚会議 放出決定への検討大詰め

 東京電力福島第1原発の敷地内に林立する、汚染水を浄化した後の処理水などが入った円筒形のタンク=1月(共同通信社ヘリから)
 東京電力福島第1原発の敷地内に林立する、汚染水を浄化した後の処理水などが入った円筒形のタンク=1月(共同通信社ヘリから)
政府は、東京電力福島第1原発の処理水処分問題を巡り、早ければ13日に関係閣僚会議を開く方向で調整に入った。これに先立ち、菅義偉首相は7日にも処理水の海洋放出に反対する全国漁業協同組合連合会(全漁連)の岸宏きしひろし会長と面会予定。政府関係者.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 政府は、東京電力福島第1原発の処理水処分問題を巡り、早ければ13日に関係閣僚会議を開く方向で調整に入った。これに先立ち、菅義偉首相は7日にも処理水の海洋放出に反対する全国漁業協同組合連合会(全漁連)の岸宏きしひろし会長と面会予定。政府関係者が6日、明らかにした。放出決定に向けた検討は大詰めとなっている。[br][br] 第1原発では増え続ける汚染水を浄化した後の処理水の保管タンクが敷地を埋めている。東電は、タンク容量が2022年夏ごろに満杯になると試算し、今年1月の記者会見では、昨年の降水状況などから満杯時期が22年秋以降になる可能性があると明らかにした。放出が決まれば、準備に2年程度かかるとされる。[br][br] 海洋放出には、風評被害を懸念する漁業者が反発。首相が岸会長と面会し理解を得られるかが焦点で、会談の内容次第で関係閣僚会議の日程も前後する可能性がある。[br][br] 菅首相は6日夜放送のBS日テレ番組で、岸会長との面会に関し「漁業関係者との意見交換は極めて大事だ。いつまでも(問題を)放置するわけにはいかない。どうすることがいいのか意見交換したい」と語った。[br][br] 加藤勝信官房長官は6日の記者会見で、風評被害対策について「国が前面に立って取り組む必要がある」と強調した。[br][br] 処理水の処分方法は政府小委員会が昨年2月、国内外で実績のある海や大気への放出が現実的だと提言。東電は同年3月、海洋放出する場合の素案を示し、放射性物質濃度が法令基準以下になるまで希釈することを盛り込んだ。[br][br] 政府は、こうした方針を地元自治体に説明。関係者によると、10月下旬にも閣僚会議を開いて海洋放出を正式決定する構えだったが、風評被害対策の具体化や丁寧な情報発信が必要だとして方針決定を先送りし、関係者への説明や意見交換を重ね、検討を続けていた。 東京電力福島第1原発の敷地内に林立する、汚染水を浄化した後の処理水などが入った円筒形のタンク=1月(共同通信社ヘリから)