【新型コロナと衆院解散】首相発言でしぼむ春解散論

 想定される今後の主な政治日程
 想定される今後の主な政治日程
菅義偉首相が「まん延防止等重点措置」期間中の衆院解散に否定的な考えを示し、自民党内では「春解散論」がしぼみつつある。5月5日の措置期限を迎えても、新型コロナウイルス感染が収束に向かうかどうかは見通せない。感染の「第4波」襲来も警戒される中、.....
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 菅義偉首相が「まん延防止等重点措置」期間中の衆院解散に否定的な考えを示し、自民党内では「春解散論」がしぼみつつある。5月5日の措置期限を迎えても、新型コロナウイルス感染が収束に向かうかどうかは見通せない。感染の「第4波」襲来も警戒される中、解散でコロナ対応がおろそかになれば、政治責任を問われるからだ。首相は引き続き感染阻止に全力を挙げるとともに、解散時期を慎重に探る。[br][br] 「新型コロナの感染拡大防止が最優先。政権に託された使命だ」。首相は1日夜放送の民放番組で、キャスターから「まん延防止等重点措置のさなかは、衆院解散はしないという理解でいいか」と問われ、即答した。[br][br] この発言を受け、自民党内では「4月に解散し、5月に衆院選といった日程は消えた」(中堅議員)との受け止めが広がる。幹部は「首相は『コロナの感染収束が責務』と繰り返している。重点措置の効果も読めず、1カ月近い政治空白を生む解散には踏み切らないだろう」とみる。[br][br] 実際、解散判断に当たり、首相を取り巻く現状は厳しい。[br][br] 東京都は2日、新型コロナの感染者が新たに440人報告されたと発表した。東京だけを見ても感染者数は3月中旬から微増傾向が続き、野党は「リバウンド(再拡大)の兆候は明らかだ」(幹部)と批判を強める。65歳以上の高齢者向けのワクチン接種は12日に始まるが、7月以降に本格化される見込みの一般住民への接種はスケジュールに不透明感が漂う。[br][br] 政権内では、西村康稔経済再生担当相が記者会見で、宮城、大阪、兵庫3府県以外への重点措置適用拡大を念頭に「機動的な活用も含め、状況を見て適切に対応する」と強調。自民党の世耕弘成参院幹事長も会見で、緊急事態宣言の再発令を検討すべきだとの認識を表明するなど、危機感を共有する。[br][br] 感染拡大を抑え込めず、緊急事態宣言再発令に追い込まれれば、野党から政権の見通しの甘さを追及されかねない。官邸筋は「首相は政権運営の主導権を奪われたくないからこそコロナ対応に全力を傾け、第4波を阻止する」と訴える。[br][br] ただ、首相は番組で解散・総選挙に関し「さまざまなことを考えながら対応していきたい」と付け加えるのを忘れなかった。これを見たベテランは指摘する。「首相は何の言質も与えていない。10月の衆院議員の任期満了まで、ずっと常在戦場なのは変わらない」 想定される今後の主な政治日程