岸田氏、ポスト菅へ正念場 参院広島再選挙勝利が最低条件

 3度目の県連会長に就任した後、記者団の取材に応じる自民党の岸田前政調会長(手前)=27日午後、広島市
 3度目の県連会長に就任した後、記者団の取材に応じる自民党の岸田前政調会長(手前)=27日午後、広島市
自民党の岸田文雄前政調会長が、次期総裁選へ正念場を迎えている。昨年9月の総裁選で菅義偉首相に敗れて無役となり、発信力が低下。反転攻勢には、お膝元で4月25日に投開票される参院広島選挙区再選挙で自民党候補の勝利が「最低条件」(岸田氏周辺)とな.....
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 自民党の岸田文雄前政調会長が、次期総裁選へ正念場を迎えている。昨年9月の総裁選で菅義偉首相に敗れて無役となり、発信力が低下。反転攻勢には、お膝元で4月25日に投開票される参院広島選挙区再選挙で自民党候補の勝利が「最低条件」(岸田氏周辺)となるためだ。仮に敗れれば、求心力が落ち「ポスト菅」に黄信号がともりかねない。[br][br] 「信頼回復に大変重要な選挙だ。目的を果たすために全力で取り組む」。岸田氏は27日、広島市内で開かれた県連大会で自身3度目の県連会長に就任した後、記者団に意気込みを語った。[br][br] 広島は衆院広島1区選出の岸田氏をはじめ、同派所属議員が名を連ねる「牙城」だ。しかし2019年の参院選では、党本部が主導し、河井案里前参院議員を擁立。押し出される形で岸田派重鎮が議席を失った。[br][br] その後の案里前議員陣営による買収事件を受け、夫で元法相の克行被告=自民離党、衆院議員辞職願提出=の後継となる広島3区の与党統一候補は、公明党の斉藤鉄夫副代表に決まった。地盤を明け渡した格好で、自民党内からは「岸田氏には戦う姿勢が見えない」(若手)と不満が漏れる。[br][br] 岸田氏にとって、案里前議員の当選無効に伴う参院広島再選挙は「名誉挽回のチャンス」(岸田派中堅)だ。自民党は同じ日に実施される衆院北海道2区補欠選挙は不戦敗で、参院長野選挙区補選も苦戦が予想される。党内には広島での勝利に期待する声が大きい。[br][br] 岸田氏は3月に入り、岸田派議員やその秘書を数十人規模で広島に投入。「結束して事態を乗り越える」(岸田氏)として県連会長も引き受けた。岸田派関係者は「絶対に落とせない。岸田氏は相当気合が入っている」と話す。[br][br] ただ、買収事件に対する有権者の不信感は根強い。与党関係者は「勝てると思っていると痛い目に遭う。自民党への風当たりはまだまだ強い」と指摘する。現金を受け取った地元議員が表立って活動できず、組織力の低下は否めない。[br][br] 加えて、広島3区を巡って摩擦が生じた公明党との協力にも不安が残る。岸田派幹部は「負ければポスト菅へのエントリーさえ難しくなる」と危機感をあらわにした。 3度目の県連会長に就任した後、記者団の取材に応じる自民党の岸田前政調会長(手前)=27日午後、広島市