他の群れから養子受け入れ ボノボ、大型霊長類で初

 他集団から来た子ども(右)を毛繕いするボノボの雌(徳山奈帆子氏提供)
 他集団から来た子ども(右)を毛繕いするボノボの雌(徳山奈帆子氏提供)
アフリカのコンゴ(旧ザイール)に生息する霊長類ボノボの野生の雌が、自分の群れの外から来た子どもを受け入れ、養う様子を2例観察できたと、京都大の徳山奈帆子助教(霊長類学)らのチームが18日、英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。人.....
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 アフリカのコンゴ(旧ザイール)に生息する霊長類ボノボの野生の雌が、自分の群れの外から来た子どもを受け入れ、養う様子を2例観察できたと、京都大の徳山奈帆子助教(霊長類学)らのチームが18日、英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。人間に近い大型類人猿で集団を超えた“養子”が確認されるのは初という。[br][br] 他の群れと敵対したり雄が子どもを殺したりするチンパンジーと違ってボノボは穏やかで、雌は子ども好きが高じて誘拐することもある。徳山さんは他集団から養子を迎える行動について「一見メリットはないが、知らない個体も助ける寛容さが原因ではないか」と推測する。[br][br] 2019年4月~20年3月の観察では、2匹の子を育てている雌と、子育てを終え閉経した雌がそれぞれ、他集団から来た2~3歳の子どもを抱いて移動したり食べ物を分け与えたりする養育行動が確認できた。子どもが集団メンバーから攻撃されることもなかった。[br][br] 子どもの出身集団や生みの親の生死は不明。血縁関係のある養子を迎えることには、子の生存率を上げ遺伝子が残る利点があるが、今回はふんのDNA鑑定から養母と養子に血縁関係はないことが分かっている。親同士の交流もなかった。 他集団から来た子ども(右)を毛繕いするボノボの雌(徳山奈帆子氏提供)