パワハラ疑惑絡みの予算案可決/十和田市議会特別委

21年度当初予算案を原案通り可決した十和田市議会の予算審査特別委員会=18日
21年度当初予算案を原案通り可決した十和田市議会の予算審査特別委員会=18日
十和田市の当初予算編成の過程で、議員から職員への不当な圧力があったとして「パワーハラスメント調査特別委員会」(百条委員会)を設置した市議会。18日に予算審査特別委員会が開かれ、圧力によって予算が膨らんだ疑惑がある経費を含む2021年度一般会.....
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 十和田市の当初予算編成の過程で、議員から職員への不当な圧力があったとして「パワーハラスメント調査特別委員会」(百条委員会)を設置した市議会。18日に予算審査特別委員会が開かれ、圧力によって予算が膨らんだ疑惑がある経費を含む2021年度一般会計当初予算案を可決した。予算案は本会議でも可決される見通しとなったが、市議会は百条委の設立に賛成した市民連合クラブ(10人)と反対した自民公明クラブ(9人)の2大会派の溝が深まっており、これまで共に小山田久市長を支えてきた“オール与党”体制にひずみが生じ始めている。[br][br] 圧力の疑いがあるとされる予算は、市議会のタブレット端末導入に関するもので、当時、スマート議会推進チームのリーダーだった堰野端展雄議員(自民公明ク)が、政策財政課の職員に圧力を掛け、付属のタッチペン(約7万円分)分の予算が盛り込まれた―とされている。[br][br] 百条委は市民連合クの戸来伝議員が設置を発議し、同会派中心の計12人の賛成で設立。一方、自民公明クは事案の詳細が不明だとして反対した経緯がある。[br][br] 百条委の進行を巡っても、両会派は対立。8人で構成する委員は、市民連合ク4人、自民公明ク3人、1人会派1人と振り分けたが、市民連合クは戸来議員に加え、発議の賛同者だった2議員も委員に選出した。[br][br] 自民公明ク側は「発議者が委員になるのは、裁判で原告が裁判官を務めるようなものだ」とし、審議の公平性を疑問視している。[br][br] 18日の予算審査特別委では、予算案の疑惑部分の修正・凍結や、付帯決議なども予想されたが、異論は出なかった。[br][br] 百条委の委員長を務める工藤正廣議員(市民連合ク)は「百条委はあくまでもパワハラの有無を審議するものだ」と、予算案との関連付けをしない考えを示した一方、不当圧力を疑われている堰野端議員は「百条委に賛成した議員側から予算への異議がないことはおかしい」と主張した。[br][br] こうした市議会会派の対立に、ある市民は「何かあるから百条委をやっているんだろうが、もっと別な所に力を注いでほしい」とあきれた様子だった。21年度当初予算案を原案通り可決した十和田市議会の予算審査特別委員会=18日