【震災10年】災害住宅、高齢者が4割超 孤独死340人

 宮城県名取市閖上地区の災害公営住宅に1人で暮らす遠藤庄二さん(79)。団地には単身者が多く、「これからはもっと声をかけ合っていかないと」と話した=10日午前
 宮城県名取市閖上地区の災害公営住宅に1人で暮らす遠藤庄二さん(79)。団地には単身者が多く、「これからはもっと声をかけ合っていかないと」と話した=10日午前
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で被災した岩手、宮城、福島3県に約3万戸が整備された災害公営住宅の入居者のうち、43%の2万1331人が65歳以上の高齢者であることが10日、共同通信の調査で分かった。3県の人口に占める高齢者の比率約3.....
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 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で被災した岩手、宮城、福島3県に約3万戸が整備された災害公営住宅の入居者のうち、43%の2万1331人が65歳以上の高齢者であることが10日、共同通信の調査で分かった。3県の人口に占める高齢者の比率約30%を大きく上回る。若い世代は自宅を再建したり、都市部へ出たりするためだ。1人暮らしの高齢者も多く、入居者の孤独死は昨年末時点で約340人。孤立させない見守りなどの充実が急がれる。[br][br] 災害公営住宅は、自宅を失った被災住民のため自治体が整備する賃貸住宅。昨年末から今年2月にかけて、管理する55市町村と県営としても整備した岩手、福島2県の計57自治体にアンケートした。3県で計2万9581戸が整備され2万7153世帯、4万9733人が暮らしている。[br][br] 高齢者入居率が50%を超えたのは14市町。福島県楢葉町の57%が最も高く、同県の南相馬市や岩手県遠野市が続いた。他にも福島県の大熊町や富岡町など、原発事故の被災地が目立った。[br][br] また、入居世帯の31%に当たる8299世帯は1人暮らしの高齢者。昨年退去した1360世帯のうち、19%の257世帯は入居者の死亡によるものだった。今後の空室増加やコミュニティーの崩壊も懸念される。[br][br] 入居者の孤立対策では、36自治体が社会福祉協議会などと連携して見守りのための戸別訪問や、住人同士の交流会など支援を実施。「直売所の移動訪問販売」(福島県本宮市)といった取り組みもあった。[br][br] 財政への不安から、支援縮小を検討する動きもある。約2千世帯が入居する宮城県気仙沼市は、業者に委託して継続してきた訪問や相談の業務を、一般高齢者と同じレベルへ徐々に移行させる方針。担当者は「手厚く実施してきたが、震災から10年がたち、国の財政的支援がいつまでも続くわけではない。コミュニティー内で支え合えるようにしたい」と語った。 宮城県名取市閖上地区の災害公営住宅に1人で暮らす遠藤庄二さん(79)。団地には単身者が多く、「これからはもっと声をかけ合っていかないと」と話した=10日午前