官民で全体像描けるか/八戸・八日町再整備構想に期待高まる

再整備構想が浮上している八日町・番町エリア。民間と行政が一体となって再整備の全体像を描けるかが今後の焦点となりそうだ=26日、八戸市八日町
再整備構想が浮上している八日町・番町エリア。民間と行政が一体となって再整備の全体像を描けるかが今後の焦点となりそうだ=26日、八戸市八日町
八戸市中心街の八日町・番町エリアで浮上した民間主導の再整備構想を巡り、地元関係者が新たな動きを注視している。11月に開館する新たな市美術館と連動したにぎわい創出に期待感が高まり、中心街経済の再生に向けた好機と捉える声が多い。4月からはエリア.....
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 八戸市中心街の八日町・番町エリアで浮上した民間主導の再整備構想を巡り、地元関係者が新たな動きを注視している。11月に開館する新たな市美術館と連動したにぎわい創出に期待感が高まり、中心街経済の再生に向けた好機と捉える声が多い。4月からはエリアの調査が本格スタートし、関係する地権者間でどの程度の賛同や合意を得られるか、構想実現に向けた第一関門が待ち受ける。計画内容によっては国の補助金を活用できる可能性があり、市や八戸商工会議所も連携して官民で再整備事業の全体像を描けるかが今後の焦点となる。[br][br] 街区の調査事業は、ダイワロイネットホテル八戸がある三日町交差点から、八日町の青い森信用金庫本店周辺のエリアが対象。市の補助金を活用して第三セクター・まちづくり八戸が実施し、4月から地権者らの意向確認などを進める。[br][br] エリア内には、老舗酒造会社の八戸酒類八鶴工場、大正時代に建てられた洋館「旧河内屋橋本合名会社」などの歴史的建造物がある一方、低利用ビルや土地、老朽化した建物が点在する。近接する美術館の開館効果を生かし、関係者の間では街並みの景観向上や来街者の回遊性を高めるような整備構想を検討中。老朽化した構造物の解体に前向きな姿勢を示す地権者もいるもようだ。[br][br] 構想の中心的役割を担う八日町商店街事業協同組合の橋本八右衛門代表理事(八戸酒類社長)によると、街のメインストリートにある八日町バス停から美術館側に通り抜けられる歩道を整備する案が浮上。新たな施設が建設されるかは未定だが、歴史ある八戸酒類の酒蔵と美術館のアートを組み合わせ、国内外の観光客を取り込む体験型観光の可能性も模索する。[br][br] ただ、八日町地区では約30年前に大規模な再開発計画が持ち上がったものの、計画実現に至らなかった過去がある。橋本代表理事は地権者間の合意形成を慎重に進める考えで「街区にとってよい方向に進むことを期待したい」と話す。[br][br] 民間主導の新たな動きが出てきたことについて、同商議所の山内隆専務理事は「今は調査が始まる段階で今後の推移を見守りたい」としつつ、「できるだけのサポートをしていきたい」との考えを示す。[br][br] 市は現在、2024年3月までを期間とする第3期市中心市街地活性化基本計画に基づく事業を展開中。再整備の費用は地権者負担が主となるが、構想内容や進展状況によっては、国の有利な補助金などを活用できる可能性もある。[br][br] 市まちづくり文化推進室の前田晃室長は「地元関係者の動きを歓迎したい。八日町地区は新たな複合ビルやはっち、マチニワなどが近くにあり、多様な都市機能がさらに充実されることを期待したい」と語った。再整備構想が浮上している八日町・番町エリア。民間と行政が一体となって再整備の全体像を描けるかが今後の焦点となりそうだ=26日、八戸市八日町