青森県産食用米の新品種「青系196号」 県南地方の関係者ら期待

黒石市の試験場で生育されている「青系196号」(青森県産業技術センター農林総合研究所提供)
黒石市の試験場で生育されている「青系196号」(青森県産業技術センター農林総合研究所提供)
2023年度にデビューを予定する青森県産食用米の新品種「青系196号」に県南地方の生産、販売関係者が期待を寄せている。県産主力米「まっしぐら」「つがるロマン」、ブランド米「青天の霹靂(へきれき)」に続く待望の“第4の県産食用米”として、「県.....
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 2023年度にデビューを予定する青森県産食用米の新品種「青系196号」に県南地方の生産、販売関係者が期待を寄せている。県産主力米「まっしぐら」「つがるロマン」、ブランド米「青天の霹靂(へきれき)」に続く待望の“第4の県産食用米”として、「県産米の選択肢が広がり、県内のコメ作りの活性化につながってほしい」と注目。国内のコメ消費量が毎年10万~20万トンのペースで落ち込む中、主食用米の産地間競争は激化しており、今後は生産・販売体制の構築が課題となりそうだ。[br][br] 新品種は、県産業技術センター農林総合研究所(黒石市)が開発し、県が2日に認定品種にしたと発表した。気温の影響を受けにくく、県全域で作れる栽培しやすさと柔らかな良食味が特長だ。[br][br] 選定に関わった県農産園芸課の近藤幹三課長は、日本穀物検定協会の19年産食味ランキングで最高の特Aを初取得したまっしぐらと比較した上で、「食味に安定感がある」と強調。県は今後、県内各地で栽培試験を行い、生産に適した地域を調査していく。[br][br] 06年に市場デビューしたまっしぐら以来、県南地方で作付けができる久々の主食用米品種が誕生する見通し。品種の多様化による生産者への利点は大きい。[br][br] 十和田市でまっしぐら60ヘクタールを作付けする農業法人「十和田アグリ」の竹ケ原直大代表(41)は「業務用の需要があるまっしぐらは、新型コロナウイルスの影響で売れ行きが落ち込んだ」と指摘。その上で、「別の品種があれば、生産のリスクを分散させることができる」と語る。[br][br] 5年連続で特Aを獲得した青天の霹靂は、生産地を津軽地方に限定しているため、県南地方では作付けできなかった。「県南では青天の霹靂を作れなかったので、新品種に期待する生産者は多いだろう」と推測する。[br][br] 一方、販売面では各県が独自の主食用米を続々と全国展開し、“戦国時代”の様相を呈している。[br][br] 県によると、具体的な販売方針はまだ決まっていないが、まっしぐらより高く、青天の霹靂より安い価格帯を想定している。[br][br] 三沢市の総合米穀卸業「KAWACHO RICE(カワチョウライス)」の川村靜功(せいこう)社長(61)は「おいしさに見合う価格で勝負することで、固定客の獲得につながる可能性はある」と興味を示した。黒石市の試験場で生育されている「青系196号」(青森県産業技術センター農林総合研究所提供)