整備士不足補う外国人パワー トヨタカローラ八戸が6人採用

技術向上に向け、自動車整備に汗を流すホ・ホアン・アンさん(左)とグエン・タン・ティエンさん=22日、八戸市
技術向上に向け、自動車整備に汗を流すホ・ホアン・アンさん(左)とグエン・タン・ティエンさん=22日、八戸市
自動車整備士の人材不足に対応するため、八戸市のトヨタカローラ八戸(塚原安雅社長)が外国人を積極的に採用し、整備士として育成する取り組みを進めている。現在はタイとベトナム国籍の6人が日本人スタッフに混じって、同社の車検工場で車両のメンテナンス.....
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 自動車整備士の人材不足に対応するため、八戸市のトヨタカローラ八戸(塚原安雅社長)が外国人を積極的に採用し、整備士として育成する取り組みを進めている。現在はタイとベトナム国籍の6人が日本人スタッフに混じって、同社の車検工場で車両のメンテナンスを担当。将来的には国家資格の3級整備士の取得を目指す。同社では技能実習生ではなく、社員として迎え入れることで所得面などの不安を解消しており、外国人労働者の定着を図り、整備士不足の解消につなげたい考えだ。[br][br] 自動車整備業界を取り巻く環境は厳しい。厚生労働省によると、自動車整備に携わる要員の有効求人倍率は4・46倍(2018年度)と高止まりが続く一方、少子化や若者の車離れ、職業選択の多様化などで整備士を目指す若者は減少傾向に。全国自動車大学校・整備専門学校協会のまとめでは、自動車整備学校の入学者数は6452人(18年度)と直近の15年の間に半減し、人材不足が顕在化している。[br][br] こうした状況を踏まえ、同社では12年から外国人労働者の受け入れを開始。現在はタイの泰日工業大を卒業したタイ人2人と、ベトナムのホーチミン工科大学で自動車工学を学んだ4人が日々、作業に汗を流す。[br][br] 特にベトナム人4人は当初、昨年4月から勤務予定だったが、新型コロナウイルスの影響で入国できず、同12月にようやく来日。6人は現在、寮で共同生活を送りながら、車両整備の技術などを磨いている。[br][br] 6人は日常会話程度の日本語を話すことができ、携帯用の翻訳機を活用して日本人とコミュニケーションをとっている。社員として雇用し、給与などは日本人と同水準にしている点が外国人技能実習制度との大きな違いで、ビザの関係で雇用契約は3年だが、本人の意思次第で延長も可能。日本で整備士として働き続けることもできるという。[br][br] ベトナム人のホ・ホアン・アンさん(23)は日本の高い自動車整備技術に憧れて来日。「プロと一緒に働くことができてうれしい。日本車のエンジンについて学びたい」と気力十分。18年11月から勤務するタイ人のマノーマン・パティパーンさん(24)も「しっかり技術を学んで、1級整備士を目指したい」と力を込める。[br][br] 同社では今後も外国人採用を継続的に行っていく方針。塚原社長は「われわれにとっては貴重な人材を確保できる一方、(外国人にとっては)日本の技術を学べるチャンス。双方にとって大きなメリットがある」と強調する。 技術向上に向け、自動車整備に汗を流すホ・ホアン・アンさん(左)とグエン・タン・ティエンさん=22日、八戸市