青春を“ものづくり”に懸ける―。青森県立八戸工業高(瀨川浩校長)に本年度誕生した部活動「工業部」の活躍が目覚ましい。生徒は意欲に応じて授業以上の専門知識や技術の習得が可能で、日々の活動では「チームワーク」「集中力」「継続」の大切さを学びながら、木材や機械などと真剣に向き合い、プロ顔負けの情熱を注ぐ。ライバル校とも合同練習などで切磋琢磨(せっさたくま)。ものづくりコンテストなど各種大会では1年目から好成績を挙げ、脚光を浴びている。[br][br] 工業部には「測量」「機械加工」「電気工事」「電子回路」「木材加工」「ロボティクス」「マテリアル」の7チームがあり、1年生を中心に45人が活動。同校によると、チームを分け、多分野に対応する工業部は東北地方でも珍しいという。[br][br] 従来は各大会に合わせて、部門に適した学科の生徒が出場していたが、元々所属している部活動との両立が難しいなど課題もあった。数年前から、工業部の前身となるようなチームの活動はあったが、本年度、7チーム体制が整い、教員もより集中的に活動をサポートすることができるようになった。これにより、志の高い生徒は学科を問わず、年間を通して技術向上に取り組めるという。[br][br] 成果は早速表れている。1年生で編成した「チーム測量」が、昨秋の高校生ものづくりコンテスト測量部門の東北大会で優勝。短期集中でノウハウを身につけ、他校の上級生チームを抑えて栄冠を手にした。先月27日には同コンテスト木材加工部門の県大会で「チーム木材加工」の岡田香那美さん(土木建築科2年)が1位に輝いた。同部顧問の坂下哲也教諭は「各チームが切磋琢磨することで、新たな展開が広がればうれしい」と今後のビジョンを描く。[br][br] 部員も、ものづくりの奥深い世界に熱中している。「チーム機械加工」の町屋悠貴さん(機械科1年)は「練習して精度が高くなってくるとうれしい」と笑顔。他校との合同練習で交流も深めながら腕を磨いており「活動していくうちに、どんどん楽しくなっている」と充実感をにじませる。[br][br] 温度センサーの材料に関する研究を3年続けてきたという「チームマテリアル」の二又龍介さん(材料技術科3年)は「継続することで大きな成果を得られる達成感を味わえた」と胸を張る。「部活だと学科は関係なくなる。興味があれば学科の垣根を越えて活動できるのが良い」と工業部の長所を挙げ、後輩たちのさらなる活躍に期待していた。