【豊洲初競り】3度目“一番マグロ”に笑顔 仕留めた田中さん「幸先良い1年」

東京・豊洲市場の初競りで、出荷したクロマグロが最高値を付け、喜びを語る田中稔さん=5日、大間漁協
東京・豊洲市場の初競りで、出荷したクロマグロが最高値を付け、喜びを語る田中稔さん=5日、大間漁協
5日の東京・豊洲市場の初競りで、大間産クロマグロが2084万円で競り落とされ、10年連続の最高値を記録した。漁獲したのは第68幸福丸(19トン)船長の田中稔さん(65)=大間町大間=。2003、15年に続く3度目の“一番マグロ”で、勝負を懸.....
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 5日の東京・豊洲市場の初競りで、大間産クロマグロが2084万円で競り落とされ、10年連続の最高値を記録した。漁獲したのは第68幸福丸(19トン)船長の田中稔さん(65)=大間町大間=。2003、15年に続く3度目の“一番マグロ”で、勝負を懸けて荒海に出た結果が実った。新型コロナウイルスの影響で外食産業が振るわず、落札額は昨年のような破格の“億超え”とはいかなかったが、「やっぱり一番マグロは特別。1年の始まりに幸先が良いね」と顔をほころばせた。[br][br] 田中さんは50年近い漁師歴を持つベテラン。平成に入ってからはイカとマグロ漁の両立で生計を立てている。同町では三が日を除く12月28日~1月4日、漁師が水揚げしたマグロを初競り用に出荷するが、田中さんは今回、出荷できるマグロを年末までに確保できていなかった。[br][br] 一番マグロに1億9320万円の値が付いた昨年。田中さんのマグロは五百数十万円で2位。「(魚体が)6キロほど小さかった」だけで雲泥の差となり、悔しい思いをしていた。[br][br] 「勝負を懸ける。駄目だったら仕方がない」。田中さんは3日午後5時ごろ、暴風雪としけの中、第68幸福丸で乗組員2人と共に出漁した。むつ市の大畑沖で4日午前0時ごろまで餌となるイカを確保した後、そのままはえ縄漁に向かった。漁場は地元の大間港から沖合約30キロに狙いを絞り、午前5時半ごろにはえ縄を仕掛けた。[br][br] はえ縄を回収したのは同午前8時ごろで、見事、今回最高値となったマグロと、230キロ台のマグロを漁獲。どちらも型の良いマグロで、魚体が見えた時は「やった」と心の中でさけび、一番マグロを狙える大物確保に感無量だったという。[br][br] 今年の一番マグロの落札額は億超えとなった昨年、一昨年に及ばなかったが、それでも歴代7位。田中さんとしても、03年(638万円)、15年(451万円)を上回る一番マグロの自身最高額を更新した。[br][br] 今年の一番マグロと同じ日に釣れた230キロ台のマグロも約900万円の値が付いた。今回の“ご祝儀”の使い道については「酒を飲んで船の借金を返して終わり」と豪快に笑い飛ばした。東京・豊洲市場の初競りで、出荷したクロマグロが最高値を付け、喜びを語る田中稔さん=5日、大間漁協