天鐘(12月24日)

「俺、俺。昨日やっと出所してきたよ」。宮城県内で暮らす同業他社だった旧友から突然電話があった。実は新型コロナに感染し、ホテルに缶詰めになっていたのだという▼職場のスタッフがPCR検査で陽性となり、濃厚接触者の検査で陽性だった。マスクを欠かさ.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 「俺、俺。昨日やっと出所してきたよ」。宮城県内で暮らす同業他社だった旧友から突然電話があった。実は新型コロナに感染し、ホテルに缶詰めになっていたのだという▼職場のスタッフがPCR検査で陽性となり、濃厚接触者の検査で陽性だった。マスクを欠かさず、細心の注意を払っていたのに落とし穴が…。感染源は指先が数カ所触れただけのパソコンのキーが濃厚らしい▼無症状で済んだが狭い部屋と冷えた食事に閉口したという。「まさかキーボードとは。容易(たやす)く感染するから気をつけて」との忠告だった。寒さで大気が乾燥、身軽になったコロナ達はごく身近まで忍び寄っている▼英国でコロナの新たな変異が確認された。従来型が23カ所も“モデルチェンジ”、7割増の感染力を持つとか。火元はロックダウンを発令し、周辺諸国も次々と門戸を閉ざし、英国はさながら“孤島”状態だ▼11月、東大医科学研究所は日本の流行株も変異型が大半で、従来より感染力が数倍高く、飛沫感染で急速に伝播(でんぱ)していると発表。今でも瀬戸際なのにここにもし英国の新変異株が紛れ込んだら―と考えるのも怖い▼敵は先を読み、巧妙に“進化”を遂げている。待望のクリスマスに年末年始だが、楽しみな「会食」にこそ彼らの罠が…。まんまと術中に嵌(は)まる政治家は別にして、賢明な判断で団欒(だんらん)を迎えたい。サイレント・ナイト、静謐(せいひつ)な正月を―。