忘年会低調、テークアウトに活路/飲食・ホテル業

忘新年会シーズンの苦戦が続く飲食・ホテル業界は、感染予防の強化やテークアウト販売で需要喚起を図る(写真はコラージュ。上から時計回りに、お重の注文に対応する八戸プラザホテル、テークアウトや宅配をPRする金剛グループの担当者、サーマルカメラを設置した八戸パークホテル)
忘新年会シーズンの苦戦が続く飲食・ホテル業界は、感染予防の強化やテークアウト販売で需要喚起を図る(写真はコラージュ。上から時計回りに、お重の注文に対応する八戸プラザホテル、テークアウトや宅配をPRする金剛グループの担当者、サーマルカメラを設置した八戸パークホテル)
新型コロナウイルスの影響で忘年会の苦戦が続く北奥羽地方の飲食・ホテル業界が、少人数での宴会や新たなテークアウト販売を企画して需要喚起を図っている。忘新年会を中止した企業や団体向けに、特製お重のプランが登場。宅配料理を充実させ、不振の宴会分を.....
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 新型コロナウイルスの影響で忘年会の苦戦が続く北奥羽地方の飲食・ホテル業界が、少人数での宴会や新たなテークアウト販売を企画して需要喚起を図っている。忘新年会を中止した企業や団体向けに、特製お重のプランが登場。宅配料理を充実させ、不振の宴会分を補う動きも見られる。ただ、最大の書き入れ時だった年末年始シーズンにもコロナ禍が直撃し、事業者の疲弊は著しい。「早く以前のような日々を取り戻したい」と切実に願っている。[br][br] 民間信用調査会社の東京商工リサーチの調査では、忘年会か新年会を開催予定の青森県内企業は14・9%にとどまる。八戸市などでは来年1月の成人式も延期となり、年始も宴会需要の好転は厳しいのが現状だ。[br][br] こうした状況を受け、同市で「割烹(かっぽう)金剛」「ほこるや」などの飲食店を展開する「金剛グループ」は、料理のテークアウトや宅配に注力。家庭の人数に応じて選べるようメニューの幅を広げた。系列店が酒販免許を取得し、料理に合うワインも一緒に販売している。[br][br] 大久保圭一郎代表は「全国的な感染動向なども踏まえ、今は事業の軸をシフトしている。今後も自宅で宴会のコースのような雰囲気を楽しめる商品の開発を進めたい」との考えを示す。[br][br] 宴会やパーティーを事業の柱とするシティーホテルも工夫を凝らす。八戸グランドホテルは少人数の宴会を提案し、時間短縮や料理の個別提供にも対応。倉田任康副総支配人は「感染が落ち着き、新年は徐々に宴会を開こうというムードになってくれれば」と話す。[br][br] 来館者の体温をチェックする人工知能(AI)サーマルカメラを導入した八戸パークホテルも感染予防策を強化。空気清浄機や円卓用の間仕切りを増やした。[br][br] テークアウト料理も販売しており、今年は外出自粛を背景にクリスマスケーキ(18日まで)やおせち(26日まで)の予約が例年より順調という。松橋満幸統括管理本部長は「自宅でホテルメイドの味を楽しんでもらいたい」とPRする。[br][br] 八戸プラザホテルでは、通常の忘新年会プランを提案する一方、今季は持ち帰り用として2種類の「特製三段お重」(ケーキ付き)を用意。いずれも宴会プランと価格帯をそろえ、忘新年会を中止した企業・団体向けにアピールしている。[br][br] 佐々木隆治総支配人は「宴会を開けない企業に、社員とその家族の労をねぎらうお重として利用してほしい」と説明。ただ、忘年会の落ち込みによる影響は大きく、「お重の企画も苦肉の策。宴会利用がなければ、酒類などの取引業者も含めて経済の循環を取り戻すのは難しい」と漏らす。[br][br] 十和田市の「サン・ロイヤルとわだ」でも来年1月8日から、新年会の代わりに持ち帰り用の折り詰め料理を提供する予定。豪華な二段重を想定している。佐藤祐二支配人は「今季の忘新年会は大規模な宴会が軒並みキャンセル。折り詰めプランで少しでも売り上げを確保したい」と語った。忘新年会シーズンの苦戦が続く飲食・ホテル業界は、感染予防の強化やテークアウト販売で需要喚起を図る(写真はコラージュ。上から時計回りに、お重の注文に対応する八戸プラザホテル、テークアウトや宅配をPRする金剛グループの担当者、サーマルカメラを設置した八戸パークホテル)