ズマロさん(インドネシア出身)異国で就農、商機見いだす

収穫の終わった農地で今後の経営に意欲を語るズマロさん=11月27日、三戸町豊川
収穫の終わった農地で今後の経営に意欲を語るズマロさん=11月27日、三戸町豊川
母国のインドネシアから遠く離れた二戸市に嫁ぎ、農業法人を立ち上げたビジネスウーマンがいる。ジャカルタ出身のズマロさん(43)で、三戸町内の休耕地を借り上げ、ピーマンやスナップエンドウなどの栽培を手掛けている。日本では農業の人手不足が問題とな.....
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 母国のインドネシアから遠く離れた二戸市に嫁ぎ、農業法人を立ち上げたビジネスウーマンがいる。ジャカルタ出身のズマロさん(43)で、三戸町内の休耕地を借り上げ、ピーマンやスナップエンドウなどの栽培を手掛けている。日本では農業の人手不足が問題となっているが、「野菜はみんなが食べるし、ライバルが少ない」と商機を見いだしている。[br][br] ズマロさんは8年前、結婚と同時に青森県境にほど近い二戸市釜沢に移り住んだ。バリ島でもタクシー会社を経営する、根っからの“商売好き”。当初は夫(68)の農作業を手伝う程度だったが、事業拡大への気持ちを抑えきれず、「ちょっとで済まなくなった」と今春、会社を立ち上げた。[br][br] 農地約1ヘクタールを借り、八戸農協に組合員として加入して準備を進めていたが、新型コロナの発生で、インドネシアから呼び寄せる予定だったスタッフが来日できなくなった。それでも、地元の派遣スタッフ4、5人に手伝ってもらい、子育てもしながら収穫、出荷作業を行い、今季の農作業を終えた。[br][br] 夏場には一日で軽トラック3台分ものピーマンを納品した時もあり、関係者の間では「新規ですごい量を出荷する人がいる」と話題に。同農協三戸営農センターの水梨利己センター長は「日本は海外と比べて詰め方や規格などが細かく、慣れるまでは出荷作業が大変だったと思うが、売り上げにかなり貢献してくれた」と感謝している。[br][br] 両国の農業を比べ、「インドネシアは農業をやる人が余っている代わりに作物の値段が安く、大きくやっても赤字。日本は“欲張り”じゃなければ平気」とズマロさん。ほどほどの収益を上げる経営が成り立つ、との見通しを示す。[br][br] 「みんなと一緒に楽しく働きたい」。コロナの収束を願いつつ、経営を軌道に乗せるビジョンを模索している。収穫の終わった農地で今後の経営に意欲を語るズマロさん=11月27日、三戸町豊川