【青森県主食用米】生産者「見通しつかない」 コメ作り対策に疑問も

青森県農業再生協議会が2021年産主食用米生産量の目安を発表した14日、県内の生産関係者は「来年の見通しがつかない」とコメ作りへ不安を口にした。飼料米や輸入米などへの転作が求められているが、さまざまな制約があり「簡単にはできない」とこぼす。.....
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 青森県農業再生協議会が2021年産主食用米生産量の目安を発表した14日、県内の生産関係者は「来年の見通しがつかない」とコメ作りへ不安を口にした。飼料米や輸入米などへの転作が求められているが、さまざまな制約があり「簡単にはできない」とこぼす。コメの価格が上向かない状況から「そもそも全国で足並みをそろえてコメの生産を減らせるのか」と制度に対する疑問の声も出ている。[br][br] 五戸町の「農事組合法人くらいし」の田中淳一組合長は「努力して収量を上げたのに売り上げは減り、経営は厳しい」とコメ作りの現状を明かす。需要を反映させた生産量の目安の方向性に理解を示しつつ、「来年以降の需要回復は難しい。資金面の援助を国からしてもらいたい」と訴えた。[br][br] 十和田市でコメや大豆などを生産する農業生産法人「十和田アグリ」の竹ケ原直大代表は「転作のハードルは高い」と指摘する。産地交付金が最大限に適用されるには、3年以上の生産が必要で生産品種の縛りもある。さらに「人のために作ってきたコメを他の用途に回すといったことは、作り手の心情として難しい場合がある」と複雑な思いを吐露した。[br][br] 全国各地で示された目安量は予想よりも減り幅が小さかったという。全農県本部米穀部の成田具洋部長は「家庭用米の強い主力産地で生産量の目安があまり引き下がらなかった。全国で一斉に思い切らないと米価下落は止まらないだろう」と懸念した。